家相プロ版の概要

家相というと、迷信的な考えがまだまだ信じられているようです。そのなかのいくつかを紹介しましょう。

1.鬼門と裏鬼門

 東北の方位が表鬼門と呼ばれ、西南の方位が裏鬼門を呼ばれています。これを使う占い師も多いのが現状であり、市販の本をみても、必ずそういう記載があります。過去、松下電器(パナソニック)の本社を移転する際、鬼門の方向に移転するというので、幹部が大反対したという話しがありますが、松下幸之助はそれに対し、東北と西南に伸びている日本全体が、鬼門なんていうことはありえないと一笑したという実話があります。松下電器は、家電メーカーとしては、日立や東芝に比べその後、発展し構造改革をなしとげ、真のグローバル企業として発展していることを見れば、松下幸之助の判断は正しかったといえます。鬼門という言葉は、この程度だと理解し、実際にはまったく家相とは関係がないと考えて、問題ありません。

2.張りと欠け

 この張りと欠けという言葉も、市販の本を見れば、必ず出てきますが、こういう概念そのものがもともとの中国運命学の家相にはありません。こういうのを信じて家相を設計する人たちは、どんな人種なのでしょうか。家相とか運命学をまったく知らない人のほうがかえってバランスの良い家を設計するものです。常識的にみて、美的感覚を研ぎ澄まして、バランスがとれていて美しいと思えばそれで良いのです。

3.方位の精度

3.1 変形八方位

 日本で市販されている家相の本をみると、変形八方位を使っているものが多数あります。変形八方位とは、360度を8分割すると45度になりますが、その45度を使わない方式です。これなどは、いつの間にか、日本に運命学が導入された以降、だれかが勝手に変形したもので、もともとの中国運命学にはない考え方です。

3.2 八方位から三百六十方位まで

 家相で使用する方位の制度は、八方位が45度。三百六十方位が1度です。十二方位が30度。二十四方位が15度です。このうち、実用的に家相で使えるのは、八方位の45度と十二方位の30度です。三百六十方位は、紫薇斗数家相術で使いますが、使い物になりません。紫薇斗数は旧暦の1日から30日という数字と旧暦で盤を作成しますが、このときの旧暦日(1〜30)を決定するには、門の向きを正確に1度単位で測定しなければ盤が作成できません。なんでもかんでも、紫薇斗数理論でやろうとする紫薇門派の占い師が使う技法ですが、まったく実用になりません。おなじように、二十四方位も使いにくいものです。

 本ソフトウエアでは、八方位の45度。十二方位の30度。この2種類を採用しています。

 

4.生年月日は家相とは無関係です。

 家相は、相学です。つまり、見た目や形の学問であり、運命を診断する命理学とはまったく違います。しかし、生年月日ごとに、家相盤を作りたがる人が多いものです。命理学とは、四柱推命や西洋占星学のことで、これらは生まれた日の宇宙の星の位置から盤を起こしますので、生年月日は必須ですが、家相には生年月日は必要ありません。
 しかし、その家の目的を明確にして、目的にあった家相を作成するという考え方は家相学にマッチしています。たとえば、社会的に発展する家相を作りたいという場合は、甲(きのえ)の家相を四柱推命方式の家相盤の技法を使って作ればいいのです。

 

5.磁北と真北

 家相で使う方位は、磁石で示す方位です。これは、地図で示される真北よりも、3〜8度ずれており、毎年変化し、毎季節変化します。家というのは、季節ごとに立て替えることはなく、何十年も使うものでありますから、こういう偏差を気にする必要はありません。常識的なことですが、偏差で修正しないと正しい家相ではないという占い師もいます。方位というのは、その境目では、その方位エネルギーは微弱になっています。方位の境目を1度超えれば、極端にエネルギーが変化するなんていうのはありえません。自然現象はすべてアナログ(ここまでが0、ここからが1という二分できない統合論理)であり、デジタル(ここまでが0、ここからが1という二分できる論理)ではないことに気がついてください。

 

6.土地と家相

 良い土地に家を建てれば、良くなります。悪い土地に家を建てれば、家相がよくても良い家にはなりません。したがって、コストをかけるのは土地です。田舎であれば、土地が良いかといえばそうでもありません。写真で事例を紹介しましょう。

道路よりも十メートル以上低い場所に土地に家が建っていますが、人から見下される土地です。

道路の曲がり角の外側の土地に家が建っていますが、事故にあいやすい土地です。
この家は廃屋でした。

T字路の道路の先にある家です。赤い注意看板が目立ちます。事故に合いやすいことを示しています。

完全なT字路ではありませんが、車で走っていて正面衝突するという感じのする家です。
土地の買収に失敗して、こんなへんな道路設計になっています。

 

河川よりも高い土地にあり、しかも湾曲の内側に家が建っていますが、発展する土地です。
ここは、地元の野菜を販売するマーケットですが、繁盛しています。

穏やかな手の甲程度の坂道の土地は竜の地形といって最高です。
筆者の住宅もこの道路沿いにあります。

やはり竜の地形で、住宅の新築が絶えません。この程度の斜面が最高です。

上記写真と同じ道路から見た風景です。
全国で医療設備、介護施設が最も充実している健康の町として売り出している町です。

上記写真の反対側の風景です。穏やかな隆起が気持ちいいです。

この町の向こうに見えるのが人口数十万人の地方都市です。
地方都市を見渡せる穏やかな隆起の絶好の竜の地形です。

このくらいの急な斜面になると、ちょっと隆起の品質が落ちます。
風水的には許容範囲がギリギリというところです。
巨大な団地ですが、実際、あいている土地がかなりありました。
老人が歩くのが辛い程度にまで隆起しているのは良くありません。

さらに急斜面に立っている家です。これくらい急だと自然災害の危険も高くなります。
山の上部から岩、土砂が崩れてきます。

手前の町はいいのですが、そのむこうの山の中腹にある村落はちょっと急です。
四国の山は急なので仕方ありませんが、こういう村落が多いです。

九州の長湯温泉町です。湯治の専門町として栄えています。
このようにゆったりとした傾斜は最高の龍の地形です。
川の流れも速すぎず、遅すぎずいい感じです。