五行の強弱


 今までの説明で五行の強弱の出し方はだいたい理解されたと思います。
そして命式の天干の五行の強さを出すのが五行の強弱の出し方ということも理解されたと思います。

それではなぜ五行の強弱を出すのかと言えば、吉凶を導くためです。

といった鑑定をします。

しかし これは格が内格の場合に用いられる手法で、外格の場合には用いることができません。

内格

内格とは五行のバランスがまあまあ良い状態の命式を言います。
その五行のバランスをさらに良くしていこうという手法を使うことができます。

外格

外格とは五行のバランスが片寄っていて、バランスを良くしようにもできない命式を言います。
この場合は、その片寄りを生かして片寄りをその人の特徴として捕らえ、強い五行はますます強く、弱い五行はますます弱くという手法を用います。


(例)次のような命式があった場合、どの五行が吉でどの五行が凶なのかを考えてみて下さい。

戌(土)
(土、水、木)(水) (金、火、土)(金、火、土)

 

  • 木:天干に甲、甲、甲 地支に根が1コ
  • 火:天干になし 地支2コ
  • 土:天干に戊 地支に根が3コ + 月令 => 最強
  • 金:天干になし 地支2コ
  • 水:天干になし 地支に2コ

土が天干に1コですが根が3コで月令を得ていますから最強です。
木は天干に3コありますが土に比べれば弱い。

  • 従って強い土気を洩らす金は吉。
  • 弱い木を生ずる水が吉。
  • 強い土気をさらに強くする火気は凶。
  • 弱い木気をさらに弱くする火気が凶。
  • 強い土気を剋す木気も吉。

こういった内容で吉凶を論ずるのです。
従って命式にとって必要な五行が大運に巡ってくればその時期は吉。

命式にとって不要な五行が巡ってくれば凶になります。



(例)次のような命式があった場合、どの五行が吉でどの五行が凶なのかを考えてみて下さい。

(木、水、土)(火) (火木)(木、水、土)

 

  • 木:天干 なし 地支に3コ
  • 火:天干に丙、丙 地支に2コ => 最強
  • 土:天干になし 地支に2コ
  • 金:天干に庚 地支に根がなし
  • 水:天干に壬 地支に根が2コ

内格で火が強いので、火を押さえる 金と水が喜神になります。

これ以上の火は必要ありませんので、大運に火が巡って来ると凶になります。




五行の性情

人は皆五行の気を受けて生まれていますので五行の秀気を備えています。

従って万物の霊長類と言えるのです。

そして木火土金水の五行の強弱によってその性情も異なってきます。

木気を多く受けて生まれた人は率直にして仁の心があります。
性質は従順で平和を好みます。

火気を多く受けて生まれた人は激しい性格です。
しかし礼節を尊び心に害毒を有しません。

土気を多く受けて生まれた人は度量が大きく和を尊び信用を重んじます。

金気を多く受けて生まれた人は性質が剛断で義を重んじます。

水気を多く受けて生まれた人は沈着冷静で知恵があります。

以上五行を総合して性格を鑑定します。

  • 命式が清らかで濁りがなければその精神は豊かです。
  • たとえ貧乏で生涯を送ることがあったとしも名を残します。
  • 一方、命式が濁れば愚かで迷いが多くたとえお金に恵まれた生涯を送ったとしも名は残りません。
  • 五行が中和であれば慈悲が深く情があり知能もあります。
  • 五行が混雑して濁る命式は貪ることを好み何事も淫する質です。

人は、仁、義、礼、智、信の5常を養わなければなりません。

  • とは上の立場にありながらおごらず下に居て慈愛にて善事を行うことを言い五行の気が相当します。

  • とは善悪を分別判断し善に従い悪を退ける順理を尊ぶことを言い五行のが相当します。

  • とは尊と卑ろ分別し謙虚にて上を敬い下を侮らない心を言い五行のが相当します。

  • とはよく物事を観察して万物の前兆を予知して善悪を見抜き、策略を練ることを言い五行のが相当します。

  • とは人を欺かず誠実で温厚篤実なことを言い五行のが相当します。