凶命の要約
- 生まれた日の干すなわち日柱天干は我が身です。
- 男性は我が身が強いことが良く、女性はやや我が身が弱いことが良いとされています。中国の原書にはこのように記述されていますが、古代中国では女性は家庭の主婦としてまた妻としての役割を演じるしかなかった時代なのでこのように記述されていると予想されます。
- しかし現代のように女性も仕事をもちバリバリと男性と対等にやっていける社会では必ずしもこれはあてはまらないと言えます。
- 男性の場合は、日柱天干の強いことを吉としますが、強すぎるとこれを抑制しなければなりません。
- 抑制がないと我が身が旺じすぎて依るところがなく短命か貧命となります。
- 女性の場合もやや身弱が良いと言われますが、弱すぎると良くありません。
●正官
- 正官は通変星の中で主位を占める神として四柱推命では論じます。
- すならち貴人、君子の星と言われます。
- その作用は職位をつかさどる人生主要の星ですから、この星の作用が強ければ職位が高く、この星の作用が弱ければ業務が衰えると解釈します。
- 正官があってこれを破る星は、傷官です。
- 正官があって傷官が同じ強さであると破格といって正官の吉の意味が作用せず苦労の多い人生になります。
- また大運や年運に傷官があっても名誉を傷つけられたり、職を追われたりします。
- しかし傷官を制する印星があれば傷官のもつ作用がなくなります。
- また傷官のエネルギーを洩らすのは財星であるから財星があれば傷官のもつ凶の作用はかなり弱まります。
- 正官は命式に1つだけあって他の柱から傷つけられていない健全な状態を好みます。もし2コ以上あれば旺じすぎて、偏官の作用に変わります。
- 偏官は暴れ馬のような働き星ですからやはり印星があってそのエネルギーを洩らしてやるのが良好です。
- もし印星がないと正官のもつ貴は失われ発展は不可能です。
- また官星は職位、貴人の良い星といえども、根がなく弱い場合には開運の見込みは薄い。
- この場合は財星を先に使ってやれば、財星は官星を生ずるので良いのです。
- すなわち先にお金を使って(ある程度損を覚悟でばらまく)その後に貴を得るのである。
- 官星が弱いにも関わらず印星が多い場合は、官のエネルギーが印星に洩れてしまうので人は活動力を失い、我が意は強いが、目的を達成することが少ない。
●偏官
- 命式に偏官がないと名を残すことができないと中国の原書には記述されています。
- 偏官は凶星と論じますが、我が身が強く健全である場合には大変な働き星で名を残します。
- しかし我が身が弱いと偏官に押しつぶされて人生の落伍者、貧乏、短命となります。
- 偏官が旺ずれば多少人格が落ちてくるので、食神をもってこれを制するのが良好とします。
- 我が身が弱いと食神も用いることができません。
- または偏官に干合する干支があっても良しとします。
- 偏官の根がなく作用が弱い場合で、偏官を制する食神が多い場合は、窮鼠が猫を噛む象となり生涯を通じて滞りが多く目標の達成が不可能となります。
- 正官が貴人、君子とすれば偏官は名をあげるといっても労働者であるから、正官と偏官が混雑するのは大変良くありません。
- もし混雑すれば生涯を通じ東奔西奔するわりには何も残りません。
●印綬
- 印綬も正官に匹敵する良い星で清く正しい知恵をつかさどります。
- 印綬は我が身日干の配偶となって生ずるので母親のような役割をするのです。
- 印綬を破る星は正財です。
- 正財もコツコツとお金をためる良い作用をする星ですが、印綬と並んであると印綬の良さが失われ短命か人より劣る人生になります。
- 大運に正財が来たときも印綬は破られ、失敗や目的が敗れます。
●比肩、劫財
- 比肩、劫財は兄弟姉妹の神で我が身と同じであり扶助の神です。
- 日柱天干の我が身が衰弱しているか、もしくは正官、偏官が多い場合は我が身が制されますので、比肩、劫財は必ず必要となります。
- しかし比肩、劫財が四柱の全体にあればかえって肉親や親族や友人を剋して財貨が集まらず生涯貧乏です。
比肩、劫財は財星を傷めます、つまり男性から見れば妻を傷めますので比肩、劫財が多い男性は女性にとっては要注意となります。
- しかし時に、この比肩、劫財をもった人は巨万の富と貴を得ることがあります。
- 徳川家康、橋本総理が良い例です。
●食神
- 食神星は家督、食禄の神ですからこれを寿星と呼んでいます。
- 命式において食神が旺じている命は精神が豊かです。そして度量も厚い。
- しかし命式に倒食、つまり偏印があると反対の結果を招くのです。
食神にとって偏印は大敵です。つまり貧乏でなければ短命として論じます。
- 食神が多くなると、凶の意味がつよくなり、女性は売春婦や水商売に走ります。
- また男性であれば神が多くして我がそれに従うことができないため、意思が乱れて決断力を失います。その場合は、食神の気を財に洩らすと大過がありません。
●正財、偏財
- 財星は金銭や財物です。従って財は命を養うところの源として最上のものである。
- 農業、工業、商業、いづれも資本がないと発達を見ることができません。
- 金銭は人を生かし、また殺すものでもありますから、財を正しく使うには我が身が強くなければなりません。
- 我が身が弱いと財から逆に剋されて我が身を滅ぼしてしまいます。
- また財は男性から見れば女性です。
- もし我が身が弱くて財星が多い場合は、財を運用する能力、知力に欠けている凶命と判断します。
- 我が身が健全でないと財に任じることができず全て中途半端、不振に終わります。
- また財星が多い人は妻と財によって苦しむのである。
■貧命
- 傷官が重く財星の軽い人。
- 財星が軽く官星が重たい人。
- 傷官が重く印星が軽く身弱の人。
- 財星が重く劫財が軽くして身弱の人。
- 財星が軽く劫財が重たい人。
(例)
時
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日
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月
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年
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−
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巳
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戊(劫財)
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戊 (劫財)
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−
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卯
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午
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辰
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この方日雇い人夫で放浪している。若い頃刑務所にも入る。
結婚するが他に女性を作って出て行く。女性を働かして我が楽しもうとするタイプ。
このように比肩、劫財が重たい男性は女性にとって最大の敵である。
■賤命
賤とは思想や行為の卑劣なる者を言い、社会において地位の高い低いを言うのではあいません。
上流階級の人の中にも賤なる人はいます。
また下層階級の人でも貴なる人はいます。
- 官星が軽く印星が重たく身旺の人
- 官星が重く印が軽く身弱の人
- 官星が軽く劫財が重く財星のない人
- 偏官が重く印星のない人
- 財が軽く劫財が重たい人
■凶
凶とは貧苦にて、ケガ、破産、犯罪の境遇に会い風波が極めて多い命を言います。
- 財星が旺じて我が身が弱く、比肩、劫財が無い人
- 官星があるが傷官が強く印星がない人
- 印星と劫財が同じ位強く、官星が軽い人
- 全部が比肩、劫財で偏官がない人
- 全部が食神、傷官で印星の扶養がない人
- 食神がありながら、偏印が強くある人
■女性の淫賤
- 日柱天干が旺じて官星が弱く財星のない人は、我が身が官星(夫)に対し強すぎる。
- 日柱天干が旺じて官星が弱く食神、傷官が重く財星が無い人は、官星(夫)を欺く。
- 日柱天干が弱く食神、傷官が重々し印綬の軽い人。
- 日柱天干が弱く食神、傷官が重々し印綬が無く、財星のある人。
- 全部が食神、傷官で財星が無い人。
- 全部が官星で印星が無い人。
- 全部が比肩、劫財で食神、傷官が無い人。
- 全部が印綬で、財星が無い人。
(例)
時
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日
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月
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年
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庚(傷官)
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己
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庚(傷官)
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辛 (食神)
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午
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酉
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子
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巳
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結婚してすぐに離婚。命式を見ると食神、傷官が旺じている。
官星は1コもない。離婚後水商売を営む。
(例)
時
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日
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月
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年
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−
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丁
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辛(偏財)
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辛(偏財)
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−
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卯
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卯
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卯
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地支が皆「卯」で偏印となる。すなわち倒食が旺じる。
結婚して2カ月で夫が家出して帰ってこない。