学歴は地方の大学を卒業し、ある商社に勤務していました。農家の出身で、そんなに家柄が良いわけでもありません。
ちょっとしたきっかけで、ある電子機器の企業を同僚と設立することになり、同僚が技術を担当。この方が営業を担当することになりました。
そして、それから10年後、社員も増え、上場企業を目指そうということになりました。
そして、上場を目指すために、社内の改革をすすめて、7年後、無事上場をしました。
しかし、上場をするということは、資本家がみて、納得する経営陣をそろえないといけないということです。
結果的には、会社の持ち株は、そのままで、権限をもたない、会長に退き、あたらしく、業界で実績のある社長を迎え、上場を果たしました。
そして、その株式の公開で得た利益は、70億円です。
今は、会長職も辞め、都内の超高級住宅に、邸宅をかまえていますが、仕事がありません。
お金はたくさんあります。お酒、ギャンブル、高級車、夜遊びしても、使いきれません。
そこで、若いベンチャー企業を育てようと、投資家という仕事を試みましたが、毎年1億円以上損をしつづけました。
なぜ、そうなるのか?を聞いてみると、人を見る目がまったくないのです。
では、なぜ、人を見る目がないのか?というと、会社を上場するという体制にはいってからは、お客様のほうを向いて仕事をしなくなったからです。
証券会社、会計士、投資家 そういった、利益を出すことだけが、目的の人のほうを向いて、7年間仕事をしている間に、感覚が狂ってしまったようです。
社内の声、現場の声などを聞いていると、上場を果たせないのです。
錬金術のノウハウは身についたのかもしれませんが、ベンチャー企業を起業する猛者達からみれば、だましやすい投資家として映ったようです。
それで、結局は、お金目当ての人しか、寄ってこないことがわかり、投資家としての仕事も辞めてしまいました。
今は、何もすることがなくなったので、ぶらぶらと遊ぶしかないわけです。
子供は大学生です。こういう、「大金持ちのぷ〜太郎」のお父さんをみて、子供はどう思うでしょうか?
戊 |
己 |
癸 |
丁 |
辰 |
亥 |
丑 |
亥 |
墓 |
建禄 |
衰 |
建禄 |
教科書的に鑑定していくと、財を求める人生だといえます。
1.日主の己に根がありますが、「癸」が強過ぎます。
五行の水は、1干ですが、4支あり、しかも月齢を得ています。2.「偏財」が非常に強い命式です。
→商売、ビジネスをおいかける人生です。
根が非常に多くあるので、その方向性に迷いはありません。3.己癸丁と陰干ばかり並んでいるので、そんなに強さはありません。
→財を、つかいこなすだけの我が身の強さは、ありません。4.己は感情的でヒステリックになりやすい性格です。
→思いこみ、勘違いで、人生の選択を誤ることがあります。5.古典的にいえば、従財格になるほど、財の力は強いものです。
内格だとすれば、身弱となります。
しかし、30歳代、40歳代と、土の大運がめぐってきますので、我が身が強くなります。このように古典的な方法で鑑定していくと、財をもとめ、ビジネスの世界で生きていく人だといえます。
ホロスコープの特徴をみていくと、土星が支配アスペクトです。
ですから、忍耐と困難の人生だということができます。
その土星が木星とアスペクトしているので、社会的な発展は、順調にはいかないことを示しています。
そして、木星は、土星より内側の太陽、月、水星、金星、火星、のいづれともアスペクトしていません。
天王星と冥王星とアスペクトしているので、ロマンチックな夢をビジネスで見ることを示しています。
120度と180度のアスペクトが多く、いわゆるキツイ作用のアスペクトが少ないので、人当たりが良く人気運はあります。
さて、古典的な見方で鑑定をしていっても、この方の場合は、財を求める人生であることは間違いがないようです。
それで、問題は、ぶらぶらしている今の状態のままで、幸せを感じることができるのか?
それとも、ぶらぶらしている状態に、決別しないといけないのか? ということです。
70億の資産をもったことは成功でしょう。
しかし、ぶらぶら遊ぶのは、財星の強い人の生き方ではありません。
財とは、人を支配し、コントロールしていくことです。つまり、人間関係で密接なものがないと、財星は作用しないのです。
ぶらぶらと遊んで、それを幸福と感じるのは、印星の強い人です。
ですから、人を見る目がない現状から、脱出しなければ、なりません。そして、投資家として、成長しなければなりません。
そのためには、毎年1億円くらいの授業料を払って、ベンチャーの起業家にだまされることも、良い経験と割り切ることです。
毎年1億使って、10年間も、だまされつづけていれば、やがては、人を見る目も育ってくるでしょう。
つまり、70億のうち、10億〜20億くらいは、授業料として、捨てる覚悟でやってみることなのです。
そして、10年後、人を判断する心眼をもったときに、投資家として、また積極的に活動をしたら良いのです。
その授業料が、もったいないという気持ちがあり、今のままぶらぶらしているだけでは、この方を待っているのは、どうしようもない孤独感と、次々にやってくる、借金の依頼だけです。
あなたは、お金が10億できたら何につかいますか?
この準備ができていないと、この方のように、お金をもったあと、苦労することになります。
お金は、投資されることを希望しています。
ですから、お金持ちの仕事は、投資をすることです。
若い人、ベンチャー企業、あなたの興味のある分野なら、なんでもよいでしょう。
そのときに、投資に値する人かどうかを、見極める心眼ができていないと、お金をもったあと、失敗します。
ですから、今のうちに、そういう目を持つように、準備をしておくことです。
その準備とは、何でも自分でやって、経験して、五感をとぎすませておくことです。
部下に仕事を任せきりでは、ダメです。
第一線で、現場で汗を流しながら、感覚ととぎすませておく必要があるのです。