50億の資産を持つ68才の事業家の事例

生い立ちと現在

学歴はありません。高校卒業と同時に、商売の世界にはいり、販売、サービス業などいろいろなことをやってきたようです。学歴はないのですが、探求心は旺盛です。自分の先祖を江戸時代までさかのぼって調査し、系図を作っています。随分、費用もかかったようです。

なぜ、そういうことをするのかといえば、自分のご先祖を大切にするためには、先祖が何をしたのか?そして、先祖の自分に対する願いは、何なのかを知るためだったようです。

60歳を超えたとき、コンピュータが急速に広まるのを見て、マスターしないといけないと決意し、コンピュータの学習を開始しました。1人で独学は、さすがに難しかったようで、コンピュータ技術者を個人で雇い、学習をしたようです。

今では、DTPソフトを使いこなし、ちょっとしたデザインや広告などは、自分で印刷データまで作成しています。

自宅にはPCが6台あり、無線LANでつながっています。海外とは、インターネットTV電話で、会議をしています。

Google、Yahooなどの検索エンジンを使いこなし、仕事に必要な情報は、すべて自分で収集しています。

数十社の企業をたばねる会長さんですが、すべて自分でやってみるという信念は、すざまじいものがあります。

すべて自分でやってみるので、人を使うときも、本当の意味で実力のある人を瞬時に見抜くことができます。

車の運転はもちろん、船の運転、飛行機の操縦、など、なんでも自分で免許を取得してやってみます。

そして、高級クルーザーを持つということは、どういうことなのか?自家用の飛行機を持つことはどういうことなのかを自分で体験し、その体験をもとに、事業計画も立てていくわけです。

経験のない分野には手をださないので、業者や取引先と、金額の交渉をするときでも、ごまかされることがありません。

経験のない分野をやるときは、最初に自分で経験してから、事業展開をします。

「学習する意欲のない奴はダメだ」と、常に若い社員を激励しています。

何日か接していて、思うことは、理屈を言わないということです。

企業経営者のなかには、自分の理論を言う人が多いのですが、この方は、まったく言いません。

言う内容は、すべて経験談であり、実話だけです。その話しから、何を悟るかは、聞いた人の理解力と応用力に任せるということです。

理解力と応用力があれば、その話しから、悟ることが多いでしょう。そういう人には、理論を語る必要はない と思っているようです。逆に、そういう実話から、悟れない人は、理論を語っても、無駄だと思っているようです。

 

 

事業内容

事業内容に関しては、残念ながら全貌を知りません。というより、そういう話しをする必要もないと思っているようです。
運転手の話しによると、 サービス業が基本ですが、投資している企業が数十社あります。
若いころは、自分が直接経営する会社からの報酬が全てのようでした。
しかし、60歳をすぎてからは、投資家的な仕事が多く、その報酬のほうが多いようです。

金融業、飲食業、レジャーランド、こういった分野だそうです。

何日か一緒に行動して思うことは、投資すべき人材を見つけたら、惜しみなく投資していくということです。

自分で、何でもやる人ですから、形だけの企画書、数字だけの事業計画などは、まったく見ません。

そういうやり方で人や事業を判断するのではなく、会って、食事をしながら、話してみて、そのなかで見極めていくようです。

その事業を立ち上げようとしている人の、生き様を観察して、これなら伸びるという人を見つけて投資していくわけです。

今までの人生で国内と海外をあわせて、そういう人材が、何十人かいたということです。

 

同業者との違い

バブルのころは、同業者も業績が良く、同業者の経営者と一緒に、米国のカジノで、1夜で2000万円くらいを使ったこともあったそうです。

遊びという面では、同業者と同じレベルの遊びをしていて、この方がとくに、質素でもなく、倹約家でもありません。

数十億の資産を持ち、つきあう人間も、社会的成功者が多くなってくると、次にに欲しくなるものは、権力のようです。

もしくは、国会議員などの権力者に対し、たてつくようになるようです。

多くの同業者が、そのように権力を得るために、いろんなことをやったのですが、この方は、わたしは、商売人であって、商売を日本でさせて頂いているのも、日本が平和だからであるという理由で、非常に謙虚でした。

国会議員や大きな企業の役員、銀行の頭取などとつきあうことはあっても、自分がそういった人よりも、上であるという意識はまったくないようでした。上とか下という意識がないといったほうが良いのかもしれません。

サラサラとした人間関係なのです。

歴史を勉強すれば、こんな平和な日本に住めて、商売をさせていただくこと時代が先祖の努力のおかげだということが良く分かる。日清戦争、日露戦争で、どれだけ大国から日本を守るために、ご先祖が努力してきたのか、そういう先祖の努力に敬意を払っているようでした。

そういう意味で、歴史の深い部分を学習しているというところで、ものの見方が少し違っていたようです。

 

四柱推命で判断

 

長生

 

教科書的に鑑定していくと、悪い命式です。


1.日主の庚に根がありません。身弱です。ゆえに、社会的発展は望めません。
  強さもありません。

2.「傷官」と「官星」がならぶ、命式で、必ず職位を失います。
  傷官は、職位の星である官星を傷つけるからです。

3.「黒雲遮日」の悪い命式です。
  癸が丙を隠しますので、丙の良さがでません、したがって、社会的発展はありません。

4.大運をみても、官星が若いときに巡ってきますので、身弱がますます弱くなります。

5.庚はもともと、非常に暴走しやすい干ですから、突進するパワーがあります。

6.庚癸の傷官は、非常に直感が鋭いものです。

このように古典的な方法で鑑定していくと、成功するわけがない人というようになってしまいます。

古典的な見方だけ、教科書的な見方だけで鑑定していくのが、いかに危険であるか、
1つの占いの技法だけにこだわって鑑定することの危険を、ここでは知って欲しいと思います。

 

 

ホロスコープで判断

 

 

ホロスコープの特徴をみていくと、木星が支配アスペクトです。

ですから、おだやかに社会的な発展をしていくことになります。
→こういうメッセージを宇宙から受け取った人です。

その木星が、土星と90度でアスペクトしていくので、忍耐と困難はあります。

太陽と火星と冥王星とアスペクトしていますので、発展の仕方は闘争的です。
→社会的発展は、おだやかではありますが、パワーがあります。
  四柱推命でいうと、あきらかに「身旺」です。「身弱」ではありません。

いっぽうで、150度 60度 という和の精神を大切にするアスペクトが多い。
→人あたりの良い人です。
  この人当たりの良い人という鑑定は、四柱推命ではでてきません。

このようにみていくと、四柱推命の傷官と官星が並ぶ悪さ というのは、ホロスコープではでていません。

ですから、この場合は、ホロスコープを優先します。

それで、再び四柱推命にもどってみます。

庚癸丙 という並びで、悪さがでないならば、なぜか?と考えます。
→考えるときには、教科書の内容をすべて頭から無視し、純粋に考えます。
  無理矢理、教科書の理論に適応させてはいけません。

それで、「癸」の傷官の作用を、「丙」が邪魔して、作用を柔和にしていると解釈します。

原書にある、「黒雲遮日」 という内容の裏側を解釈します。

つまり、鋭い感覚をもちながらも、人にあわせていく柔らかさもあるというように解釈しなおします。

星平会海では、このように、星つまり、ホロスコープと四柱推命で矛盾がでてきたら、ホロスコープを優先して、四柱推命を解釈しなおす必要があります。

そうすると、四柱推命とホロスコープの矛盾がなくなる場合があります。

 

 

感想

この方の自宅には、高級車が数台ありました。自宅には、家政婦さんがいます。クルーザー、自家用飛行機、ヨット、なんでもあります。運転手もいます。

で、そういう生活を、うらやましいとわたしは、思いませんでした。

68歳にして、難しいといわれるソフトを使いこなすため、深夜までパソコンに向かって格闘する毎日を送っている生活を観察していると、孫の世話でもしながら、おじいちゃんをしたほうが幸せではないかと思えてくるからです。

でも、事業を成功させて、大金持ちになるには、このくらいの姿勢で生きていかないとダメなんだということも痛感しました。

楽して、もうける道はないのです。

大金持ちになる人は、命をけずりながら、何事に対しても、全身全霊で真剣に取り組むから、そうなるのだと思います。

・時間がないから、できない。

・能力がないから、できない。

・経験がないから、できない。

・運勢がないから、できない。

・家族がいるから、できない。

・お金がないから、できない。

→ できない、言い訳の達人が、お金持ちになれるわけはない と思います。

できないのは、やる気がないからです。

あたえられた命式を100パーセントいかせば、古典的な方法で、社会的に成功はしないはずの人でも、大金持ちになっているのです。いや、命式が、変わっていくといったほうが良いかもしれません。

古典的な理論に束縛されず、自分の命式をできるだけ、良い方向で鑑定しなおすと、そこには、成功する秘密が隠されているかもしれません。