アスペクトとは、地球から見た場合の惑星と惑星とが作る角度のことです。
日本語では『座相』とか『角相』とか『星相』と呼ばれるものです。
天空上を移動して行く二つの惑星が、地球から見て一定の角度を形成する位置に来た場合を『アスペクト』として特別視するということです。
二つの惑星の間に、アスペクトとしての相関関係が働くからです。たとえば、太陽と月とが地球から見て重なり合ったときが『新月』ですが、天空上のアスペクト角度としては『0度』です。
同じく太陽と月とが地球から見て正反対に位置したときが『満月』ですが、天空上のアスペクト角度としては『180度』です。
当然のことですが、地球から見た場合は新月になり、満月になり、それぞれ地球上に多大な影響を及ぼしますが、それはあくまで地球上にとってであり、太陽や月それ自体に何らかの変化があるわけではありません。つまり、地球から見た各惑星同士の相関(アスペクト)関係は、地球上の生命に対してのみ働く、という特徴があるのです。
もちろん、これらの法則は太陽や月ばかりではなく、ホロスコープ上のすべての惑星に共通の原理です。
占星学では、誕生時点ですでに形成されている角度を『出生時(出生天体図)のアスペクト』として捉え、刻々と移動通過中の惑星と出生時点の惑星との間で作られる角度を『通過中(トランジット)のアスペクト』として捉えるのです。
アスペクトとしての角度の種類・分類は、時代により、地域により、占星術師により、それぞれに微妙な違いがあって一定していません。アスペクトの種類は、天文学者として今日まで知られるドイツのヨハネス・ケプラーによって大幅に追加されました。
ケプラーは、気象予測のための観測結果から新しいアスペクトがいくつも発見されたのだ、と著書の中で伝えています。1606年、占星術師でもあったケプラーは『10年前から、私はただ星相(アスペクト)ということだけを考え、占星術を調和の科学に移行させようとしていました』と、謎の手紙を友人に遺して、アスペクトこそ占断の鍵であると主張しています。
実際に占いの現場でおこなうホロスコープ解釈においては、アスペクトの出現率が、一番多いものを、その人を支配するアスペクトというように定義しています。つまり、協調性があるのか、闘争的であるのか、やたらと人と対立したがるのか という傾向がすばやく把握できるのです。
ビジネスの現場では、瞬時にして、その人の特性を理解し、対応の仕方を考えなければなりません。そういうときに、このアスペクトは役にたちます。
たとえば、0度が多ければ、これは四柱推命でいう、比肩・劫財の星が強いと理解します。ですから、あまり競争心をあおるようなものの言い方はしない というようにするわけです。また、30度や60度が多ければ、四柱推命でいう食神の星が強いと理解します。
ですから、人当たりが良く、人間関係の和を大切にする人なので、それを破壊するような提案やビジネスの話しは持ちかけないようにするわけです。また、45度や90度が多ければ、人との協調性は望めないので、いろいろと取引先とトラブルをかかえているはずだと予知してから、打ち合わせにはいるようにするわけです。