前章では、四柱推命の十二運星を看る技法について説明しましたが、ここでは通変星の看方について説明をします。
十二運星はどちらかといえば、人間の気力、性情面を判断する際に看るものですが、通変星は人間の能力・理解力・人生傾向・価値観といったものを看る際に大変有効です。この通変星にももちろん、それぞれに長所と短所があります。またその五行的な強さによっても発揮される内容が随分異なってくるものです。例えば、「比肩」という通変星の場合、長所は独立心、自立心、新しい企画、共同経営といった内容になりますが短所は、独断、偏見、人と衝突、強引といった内容になります。四柱推命の本来の技法を使えば、喜ぶ神なのか忌む神なのかが判断できますので、この長所と短所のどちらが出やすいかを知ることができます。
しかしここでは、その本来のプロセスを踏まえると初心者には複雑になりますので、敢えてそのプロセスを飛ばして、長所と短所の両方があるという捉え方で判断しようと思います。
次に、通変星は天干だけを看ます。天干には、年干、月干、時干がありますが、ここで重要視するのは、月干と時干です。
なぜかといえば、日干(自分自身)の両隣にあるということは、言い換えれば人生傾向を決定する要因がこの2ツの通変星だからです。
生まれた時間が不明な方は、月干の通変星を看ると良いでしょう。
確率的には時干の通変星よりも月干の通変星の方が人生傾向としてより重要な位置を占めているからです。
生まれた時刻が分かる場合は、その干がどちらがより強く日干に作用しているか?で重視する干を決定します。
次ページに、それぞれの通変星の長所と短所を記します。
■長所
独立心がある。積極的に動く。人とうまくやっていくことができる。共同経営者的能力。政治家的組織作成能力。競争心がある。新しい企画やフランチャイズが得意。
■短所
独断と偏見。一つのことに固執しすぎて失敗。強引で不和とトラブルが発生。対人関係で摩擦。
■長所
とにかく精根尽き果てるまで熱中。率直で精神的にタフ。大胆さがある。
■短所
頑固で人の意見を聞かない。うぬぼれが強く、高慢。投げやりで相手に迷惑をかける。共同作業で失敗。夫婦の破滅。
■長所
見た目には大変温和で楽天家。衣食住には不思議と困らない。現実的で落ち着きがある。技術者的な才能。子供に恵まれる。反応が柔らかく安定した所得がある。
■短所
怠け癖。肥満体質。食べ過ぎ。色気過多。呑気で注意力散漫。
■長所
鋭敏な才能。技術的センス。情報収集能力。理解の早さ。直感。表現力と説得力。
■短所
おせっかいな干渉。謀略を張り巡らして失敗。口うるさい。人と争う。言ってはいけないことを言ってしまう。離婚。
■長所
現実的な感覚があり見た目は淡白。物事の処理能力。投機的で社交性がある。事業や商売が上手。世話好きで社会に対する奉仕性がある。拡大指向。
■短所
思い付きで行動。集中力がなく、浮気っぽい。実力以上の妄想を持つ。無駄な出費。口からでまかせ。
■長所
細心の注意を払い大きな失敗はしない。正確な仕事。器用で正直。経済観念がしっかりしている。信用と信頼。
■短所
細かすぎて、チャンスを逃す。ケチ。神経が細く大胆さがない。金銭に執着。汗まみれになって働くことを嫌う。
■長所
権力と出世。大胆でヤリ手。組織管理能力。経営方針や開発方針を大転換。
■短所
権威をかさに着る。暴圧的で考えが足らない。混乱しがち。他人の悪口ばかり言う。自分の好き嫌いで行動してしまう。
■長所
清く正しく品位のある性格。育ちが良く、自制心がある。地位名誉を得る。上司に服務し謙虚である。
■短所
臨機応変に対応ができない。自分の地位を守るためだけに行動する。お役所的対応。規則に縛られる。事務的対応。
■長所
戦略家。知謀知略を練る。時代の先端を読む能力。自由なアイデア。斬新な考え方。学問・宗教が得意。臨機応変に行動。
■短所
迷いが多く考えが不安定。精神的な錯乱状態。自分勝手に物事を解釈する。孤立し寂しい。協調性がなく変わり者。自分の好きな分野にだけ関心。
■長所
学者肌。清く正しい知恵の星。生命エネルギーと理想。観念的な思想・宗教心。物事をとことんまで追求する姿勢。思想的世界で名誉。
■短所
相手に甘えてしまう。自分勝手な思い込みが強い。人が良いので他人からだまされやすい。物事に凝りすぎて失敗。観念的で具体性がない。