古典的な占いの基礎を習得するための書籍の選び方

 一般の書店に並んでいる四柱推命のほとんどが、阿部泰山全集といった中国の原書の訳本を分かりやすくまとめたものです。しかしこの阿部泰山全集は、中国語をそのまま日本語に訳したため、読む人がどのようにも解釈できる部分が多くあります。このため阿部泰山流を自称する先生にも、色々な支流のようなものがあります。


この現象はまるで、聖書という原典を中心に数百ものキリスト教の流派が存在するのと良く似ています。では、本当の中国での四柱推命はどうなのか?は、台湾や中国の流派の党首から直接教わるか、台湾や中国と何らかのパートナーシップを構築しているところから習うしかありません。書籍を読むなら、そういった本当の意味での専門書がおいてあるのは、東京では神保町の原書房、大阪では心斎橋の中尾書店です。中尾書店には当社のソフトウエアを常時在庫して頂き、店頭販売を行っています。残念ながらこういった易の専門店においてあるような書籍が一般の書店に流通することはありません。

1.推命の第一段階は、外格か内格かを判断しなければなりません。


この外格と内格の判断の仕方を明確に記述していない書籍は、読むに値しません。なぜならば、当社の統計では日本人の4人に1人は、外格ということが分かっているからです。外格であれば、基本的に人の言うことは聞かず、個性豊かで、タフな人が多いようです。また行運で凶星がめぐってきたとしても、内格のように極端に悪い作用が出ることはありません。当社に、極端な従児格の人が相談に見られて、ある占い師から「あなたは、傷官が強いので、正官がめぐってきた時悪いことが起こる」と言われたそうですが、これなどは、正しく外格と内格を判断していない例なのです。

2.外格か内格いづれも個性である。


外格は、五行の強弱が片寄っていて、それを個性としてそのまま片寄りを神からの天賦の個性と判断して推命するものです。内格は、五行のバランスが取れているので、それを個性としてバランスを取るような方向で推命するものです。通常、外格の人はその強烈な個性を生かして独立した方が生き生きしており、内格の人は、組織に服務する能力がありますので、サラリーマン向きです。

3.蔵干の通変星を最重視してはいけない。


国内の書籍には、月支元命という蔵干の通変星を最重視して判断するものがありますが、これをやってはいけません。中国式でも日本式でも実占を重ねている人であれば、そういった推命をすることはないと思いますが、書籍には最重視するようなニュアンスで書いてあるものもあります。天干は気を表し、地支は質を表すといいますが、天干の通変星を重視してその人の能力や人生傾向を見るのが正しい方法です。

地支を見るなら十二運ですが、ここは能力などを見るのではなく性情面など普段表に出ない部分を見るのが正しい方法です。実際、心理学などでは、この十二運だけを見て判断する心理学者もいる位です。地支は、天干を支える根のようなものですので、これを見て推命することは、樹木の地上に出ている部分を見ないで、根だけを掘り返して、その樹木を研究するようなものです。

4.蔵干表は数種類ある。


蔵干表は、中国の原典を見ても数種類あります。日本には、たまたま阿部泰山先生が訳した本の中にある1種類が広まっていますが、その蔵干表が本当に妥当なものかどうかは疑問を持っている推命家も泰山流の中にもいらっしゃいます。

中国の原典にある数種類の蔵干に共通している法則(これはホロスコープのアスペクト理論にも共通するようです)を見つけて、蔵干表はこうあるべきという先生もいらっしゃいます。やがて時を見て、その理論が世間に公表されることがあるでしょう。

5.喜神と忌神をハッキリと判断すること。


年柱の天干、月柱の天干、時柱の天干のそれぞれが、喜神なのか忌神なのかを判断できる理論を紹介していない書籍は読むに値しません。これができないと最終的な、吉凶判断が全くできないからです。日本人は曖昧さを好みますが、中国占星術に限って言うと推命の結論は、吉凶を言わないと占いではなくなります。また四柱推命の吉凶をハッキリさせておくと、奇門遁甲の盤も使いやすくなります。奇門遁甲などの開運術は、凶を避け、吉を強くしないといけないのですが、四柱推命で吉凶が曖昧だとせっかくの開運術である奇門遁甲も使いようがなくなるからです。これは、家相を看る場合にも、同じことが言えます。自分の命式の忌む神と喜ぶ神が明確になってないとどの方位が吉なのか最終的な結論を出すことができなくなるのです。


このように四柱推命の吉凶判断は単に、「命」の分野で終わるわけではなくて、「相」の分野や「卜」の分野にも大きく影響してくるシステムになっているので、曖昧にするわけにはいかないのです。ここが、中国占星術の最大の特徴であり長所であり、反面短所にもなりうる内容なのです。


人間というものは、吉凶をハッキリと言われて(特に凶の場合)気分が良い人はあまりいないものです。何か自分という人間そのものを全面否定されたような気分になるからです。しかし凶は凶として納得して、命式が示す良い部分に光りを当てて生きていけば良いのですが、実際に占い師の立場になってみれば、あまり吉凶がハッキリですぎると都合が悪い場合も多いと思われます。

6.男女の相性は、紫薇斗数推命の書籍の方が良い。


四柱推命は、ビジネス用途では大変な威力を発揮します。事実、上場会社の役員人事のコンサルテイングを四柱推命でやっている企業もあります。

しかし男女の相性などには、四柱推命を用いるのはどうかと思います。この場合はそれに相応しい理論を最初から持っている紫薇斗数推命でやるのが良いでしょう。四柱推命は理論を自分で作れる学問ですので何にでも自由に応用できますが、相性を見るという技術は、「力士が相撲の稽古をして、突然レスリングの試合に出る」ようなものだと当社では認識しています。

従ってあまり相性の理論を四柱推命の書籍に求めるのはどうかと思います.四柱推命を使うのであれば、自分が配偶者に対しどのような態度や行動をとりやすい傾向にあるかという観点から看るのが良いでしょう。

■推薦図書


プロを目指す方、あるいは関心のある方は下記のような書籍を読むと良いでしょう。当社のソフトウエアはいづれもこのような書籍を参考にした上で、実占を重ね当たる部分だけをソフトウエア化したものです。

最低10万円〜20万円くらいの予算を組んで、学習をスタートさせましょう。
3,000円くらいの本を読んで、ソフトの内容と、本の内容が、異なるというクレーム?がありますが、この程度の本と比較されても、困るわけです。


特に、「滴天髄」と「窮通宝鑑」は、プロを目指す方なら一通りは読まないとなりません。

 

<易の専門書店> 原書房 03-3261-7444 。

・緒方泰州全集 全15巻 中尾書店出版
→泰山流の本を読むなら、この程度は、、マスターして欲しいものです。
 1冊8000円しますが、市販の3,000円くらいの本では、全然ダメです。

 

・新推命学 上下 30,000円 東洋書院
まじめに、四柱推命原理を、書いた本です。筆者の研究姿勢は非常に好感をもてます。

 

・四柱推命 暦と運命への科学的アプローチ ラッセル社 2200円
→科学的なので、理系の方には、入りやすい本です。


・四柱推命活用秘儀 香草社 5,040円
→ 泰山流の理論も少し混じってますが、透派の入門書です。


・四柱推命術密儀 香草社 10,500円
→ 部分的に内容が間違っていると思われる個所もありますがじっくり
読んでいけば誤りに気がつきます。


・四柱推命十干秘解 香草社 7,350円


・滴天髄和解 秀央社 15,450円の4巻セット


・窮通宝鑑和解 中田青山 18,340円


・気の思想 東京大学出版界 8,240円


・奇門遁甲学入門 秀央社 2,300円
→ 盤の作成方法は古典的技法で当社のソフトと少し異なります。


・紫微斗数占星術入門 徳間書店 900円
→ 暦の取り方と盤の作成方法は古典的で当社のソフトと少し異なり


ますが、星と宮の意味を理解するには良い本です。


・紫薇斗数推命術 香草社 8,400円
→大変詳細に星と宮の組み合わせの意味について書かれています。