庚金:寅月生まれ
- 季節と調候
庚金が寅月に於いて生れるは、木気が盛んな季節で金は絶となり気勢が無く弱いので必ず土の扶助が必要になります。
寅月は木が旺ずる季節ですので、土の印星は木剋土と制剋され勢いがありません。
さらに土は寒気が残存する寅月には寒土であり、寒土は万物を育成する力が不足しています。
従って寒土は庚金を勢いよく生じることができません。
故に丙火の太陽を得て寒気を解いて土の印星を生じ、金を暖めることにより全ては皆活気を得て功ををなします。
寅月の庚金は丙火をもって最も重要な用神とします。
- 財星、官星の用法
命中に於いて丙火と甲木が透干するは配合の中和を得て発展することが出来ます。
また1つが透干して1つを蔵する命の場合でも運程に於いて発展することが出来ます。
命中に丁火(正官)が透干して戊己土があり、水の食傷が無い場合は富貴を得ることが出来ます。
但し、官星を用いる場合は水が無いことが条件となります。
- 土の太過
命式に土が多く有りすぎると、金が埋まる恐れがあります。
金が埋まれば理解力が不足して発展が阻害されますので、甲木を用いて土を疏土(そど=耕す、制する、抑える)すれば貴を得ることが出来ます。
- 財星
命式において、甲木が地支にあると庚金からみて甲木は財星ですので、富を得ることができます。
しかし庚金や辛金が天干に2つ以上並ぶと、「比劫争財」となって兄弟姉妹、友人が財を奪い合う命式となります。
全て、財星をもって用神とする命式においては、比肩、劫財を見るべきではないのです。
- 官星
命式において、丁火(官星)が天干にあって、我が身を生ずる己、戊(印星)があって丁火を潰す水(食傷)がない場合は、官星を用いることできるため富貴を得ることができます。
全て官星を用いる場合は食神、傷官を見てはいけないのです。
官星を用いる場合、財星もあって(財星は官星を生じます)、印星(我が身を扶助します)を補佐とすれば用いることができます。
官星は仕事の星、出世の星ですから男性であればやはり欲しいところです。
庚金:卯月生まれ
- 季節と調候
卯月に於いては、卯の中の乙木が月令を得て旺ずる季節です。
庚金と乙木は和合して暗に金気が強くなります。
卯月の庚金は、寅月と同じように気勢が衰えて絶となりますから、土の印星で扶助するか、又は比肩すなわち庚金が必要になります。
地支に申、辰があると金気が強くなり、この場合は丁火を用いることを喜びとします。
- 財星、官星の用法
我が身の庚金が健全で強い場合は、丁火(正官)を以って用神とし甲木(偏財)を補佐として離すことが出来ない、即ち財をもって官を生ずる命式となります。
春の丁火は燃料となる甲木を離すことができません。
また甲木を丁火に引くためには庚金で伐採する必要があります。
この3つの星を「三友」と言います。
- 乙木
春の乙木は青草で幾ら多く有っても甲木の様な燃料とはなりえません。
庚金:辰月生まれ
- 季節
辰月は春の土用で月令に戊土あって土が旺じてる季節です。
土の印星は土−金と庚金を生じてます。
金は土から生れてますので、天干に戊土が多くあれば金は土に埋まってしまうので嫌います。
地支に少し有るのは良いとします。
辰月は温暖であるから調候を求めなくてよい季節です。
- 財星と官星の用法
戊土(偏印=倒食)が旺じる場合は、甲木(偏財)をもって戊土を制することにより埋まっていた庚金が顕れます。
偏印が旺ずれば福禄を損ずる事が多いので制することが必要です。
庚金の頑金を鍛錬(たんれん)するには丁火が必要です。
従って、庚金の辰月生まれに於いては、丁火と甲木を必ず必要とします。
もし命式の天干に戊土がなければ、甲木がなくても可ですが、丁火がないと頑金が庚金にならないので丁火は必須です。
身強で財(木)と 官(火)があれば富貴を得て栄華を得ることは、全て言える内容です。
- 庚金の性情
通常、陽干は陽干で制することを喜びとします。
すなわち甲木は庚金で制し、丙火は壬水で制し、戊土は甲木で制し、壬水は戊土でダムを作ります。
庚金だけがその性質が異なるため、丁火で制することを喜びとします。
庚金は頑金ですから太陽の火では鍛錬(たんれん)することができません。
庚金:巳月生まれ
- 季節と調候
庚金が巳月に於いて生れるは、月令に丙火と戊土が旺じる季節になります。
庚金の巳月は十二運が長生となるも、他の五行(木火土水)の長生と比べれば一番弱い長生です。
- 壬水(食神)の用法
夏の庚金は戊土の生扶を求めるも、火土が偏燥となるから壬水(食神)を以って救神とするのです。
水を得るは火を制して潤土の働きがあります。
即ち、洩気の水が功をなします。之を「反生の功」のと言います。
水があれば戊土を湿らせ、金を生じることもできますし、生じた金を火でもって鍛錬(たんれん)することも可能となります。
よって夏生まれの庚金は、水を離すことができません。
壬水を地支に蔵するだけでは多少の富貴は得れるが有名無実となるので運程に於いて壬水を引き出すことです。
従って壬水、丙火、戊土の3つを用いる場合は最も上格として論じます。
- 丙丁火が強い場合
丙丁火が強い命は壬水の食神で以って制する食神制殺を上格とします。
命式に丙火(偏官)が太旺しているにもかかわらず、壬水(食神)の制がない命造は場合は、月支蔵干にある戊土(印)が丙火(殺)を洩気するとは言っても中和を失った命式で次格となります。
こういった命式の人は仁義に薄く妻と子どもを傷める人となります。
- 大運と湿土
巳月は既に火の旺地であります、故に金は既に火に逢って損傷しているのです、柱中にあって再び火を見るは溶けることになります。
若し、大運が南方の地に入ると其の害は大となりますが、辰土に逢うと湿土が晦火(ばいか)して、金は巳の長生を得ることになり発展を得れます。
- 金水が強い場合
四柱中に金水が旺じる場合は、月令にある当旺の火を用います。
また命式において金が旺じていれば、必ず丁火(正官)を使って、頑鉄を鍛錬(たんれん)して器を成す必要があります。
庚金:午月生まれ
- 季節と調候
午月に於いては丁火が旺じ猛暑の季節で庚金は衰弱しています。
庚金を鍛錬(たんれん)する丁火が旺じてる季節となりますので壬水、癸水を離すことができません。
午月は蔵干に丙丁火と己土が相生しています。
つまり官(丁)と印(己)が旺じ「火炎土燥」を成しています。
従って水を用いて火を破り、土を湿らすことをしなければ庚金を生じることが不可能です。
水が全く無い命式は偏枯で上等の命式とはなり得ません。
比劫の扶助
午月の庚金は火が旺じて気勢は極めて弱いので、先に壬癸水を用いての燥土を湿土に成して金を生ずると言えども、やはり庚(比肩)、辛(敗財)の扶けを必要とするのであります。
身弱であっても洩気の壬癸水を用いるは「反生の功」があります。
即ち、生に反するけれども扶けとなります。
つまり我が身が強ければ壬水(食神)に秀気を洩らして燥土を湿土に潤沢して金を生じさせます。
この様な命造は自然に富貴を得ることが出来ます。
壬水を地支に蔵して金が透干しておれば、壬水を傷めないと言えども用神が透干していないので頭脳は良いも発展に苦労があります。
- 火が旺ずる
地支が火局を成して火の旺ずる造りは金が溶けることになるから水の制が無ければ発展は不可であります。
地支が火局を造り水が無く戊己土が透干するは、火を洩して「官印相生」を作り庚金を生扶する事が出来るも、火土の偏燥を嫌うから孤貧を免れる事は出来ません。
- 土が天干にある場合
戊土、己土が天干にあれば、「用神の水」を土剋水と損傷しますので大変嫌います。夏月は炎燥の候ですので水が用神となります。
庚金:未月生まれ
- 季節
未月の庚金は残暑は厳しいが朝夕は幾分かは涼しくなる季節です。
また未月は蔵干に丁火が有るも火−土と火は土に洩らして土が旺じて庚金は気を得ます。
従って身強となるのが普通です。
- 財星、官星の用法
命式が身強であれば、財官を使うのが原則ですから、丁(官)、甲(財)をもって喜びとし名を挙げ身は栄えます。
もし甲木だけがある場合は、財貨はあるが良い仕事がないという命になり俗人となります。
もし丁火だけがある場合は、官星に助けがなく「孤官」とにりますので秀才ではあるが文筆活動などで名をあげるしかない人となります。
丁火も、甲木も無い人は下賎の命となります。
- 土の太過
命式に土が太過する場合は、金が埋まりますので甲木でもって土を疏土(そど=耕す、制する、抑える)します。
即ち、土を制すれば金が顕われてくるようになります。
庚金が土に埋まれば理解力が足らない愚かな人となります。
従ってこの場合は天干に甲木があることです。
- 身弱の場合
命式が身弱であれば金の庚(比肩)、辛(敗財)を得るか、水で土を湿らし生金すことが必要になります。
庚金:申月生まれ
- 季節と調候
申月の庚金は、月令を得て十二運は建禄となり剛鋭が極まる季節のため、丁火の鍛錬(たんれん)を何よりも必要とします。
次に、甲木があれば丁火を生じることができるため甲木が必要となります。
丁火は調候の役割も兼ねています。
- 財星と官星の用法
身強の命造は財と官を用いるのが上格の造りであります。
丁火(正官)が有って甲木(偏財)の無い命造は、官星に扶けが無いために孤官(こかん)となり僅かに秀であるに過ぎません。
丁火と甲木が共に無い命は、名利が共に欠ける事になり下格となり無用の人となります。
丁火が無く甲木のみ有る命は、申の蔵干に壬水が長生に当たるために食神生財となるも、甲木は申月に於いては休囚の時で力かが弱いために衣食に不自由しない程度の平常の人であります。
地支が水局を造り丁火が乏しく、丙火を用となし命中に丙火があって甲木の無い命は無用の人となる。
地支が土局を造る命造は甲木を以って疏土する必要があります、土を破ることによって金が顕われる、先に甲木を用いて後に丁火を用いるのであります。
金が旺じて甲木(財)が軽く、丁火の無い命は富みは得ても貴は得ることが出来ません。
- 最上の命
「明理賦」に言う、強金は水を得るとその鋭鋒を砕くため、水に気を洩らすが良いかの如く見えるも、それは庚金の性情を知らぬからである、必ず丁火を以って鍛錬しなければ大器をなさないのである、故に丁火を以って用神とする事を最上とします。そして丁火は燃料の甲木を必要とします。
庚金:酉月生まれ
- 季節と調候
申月の庚金は月令が陽刃(ようじん=帝旺)となり剛鋭が極まる季節でありますが、晩秋ともなれば寒気が漸増(ぜんぞう)する季節となります。
故に丙丁火の官星を併用するのです。
- 財星と官星の用法
庚金が旺じていますので丁火(正官)で以って庚金を鍛錬(たんれん)して更に丙火(偏官)を以って寒気を除くのであります。
丙と丁が両方あると、庚金から見れば、正官と偏官の両方があることになり、いわゆる官殺混雑(かんさつこんざつ)となります。
官殺混雑は良くないと論じますが、この場合に限り併用はむしろ喜びとするのです。
即ち、酉月生まれの庚金は、丙火と丁火の両方が天干にあるのをむしろ貴とするのです。
次に、火の「丁火」は晩秋ともなれば退気となりますから、甲木(財)が有って丁火を生じることが必要となります。
一位の丙火が透干(とうかん)するは調候に過ぎず秀と言えども丁火が無いと富をなしません。または地支に木を多く見る命は常人であります。
甲木を地支に蔵して丁火が透干して、水が丁火を傷めなければ富貴を得れます。
丙火が透干して丁火を地支に蔵するは異途において発展します。
- 最上の命
このように、庚金の鍛錬には丁火を用いるのを最上の命とします。
そして丁火の火を燃やし続けるには燃料の甲木を必要とします。
庚金:戌月生まれ
- 季節、調候
戌月は秋も深まり霜が降りる候で、月令においては戊土が盛んになり旺じています。即ち、印星(母)の星が旺じています。
地支に戊土が有って天干に透干(とうかん)しておれば、土が厚くなり金を埋金(金が埋まる)する恐れがあります。
戊土は火を含んだ燥土でありますから水気も必要です。
- 食神と偏財の用法
庚金は土に埋まるのを嫌いますので、先に甲木(偏財)を用いて土を疏土(そど=耕す、制する、抑える)を必要とします。
戊土は通変星でいえば偏印(倒食)です、旺ずれば困ります。
即ち、丁火を用いればさらに土が旺ずるので、甲木を用いて強い土を抑えてやらなければ庚金の気が顕われないのです。
秋の甲木は気勢が弱いので壬水を以って甲木を生じ、強い土を甲木が天干に透干して疏土する事を喜びとします。
壬水を以って庚金の気を洩らすこととなり配合がよろしく発展する人となります。
故に天干に壬水と甲木があり「食神生財」となるのを貴とします。
壬水と甲木が有れば上格とし、共に無ければ下格とします。
甲木が在って壬水の無い命は専ら甲木を以って戊土を制するを用とします。
秀気は流れないけれども庚金が埋没すること無く自らその用を顕します。
- 金水傷官
地支に水気が旺じていれば、金はその秀気を水気に洩らして「金水傷官」となって人よりも必ず聡明となります。
さらに丙火があれば調候を得ることとなり寒気を和らげます。
通常は 「傷官」と「官星」が並ぶのを凶としますが、このように官星と傷官が天と地に別れていれば、「金水傷官」が「官星」を見て喜びとするのです。
もし、丙火と癸水が天干にあれば、丙火の官星が損傷することになり発展することができません。
丙火は壬水を見て輝きますので恐れませんが、癸水を見れば丙火の輝きを曇らせますので喜びとしません。
- 季節と調候
亥月はみぞれや新雪が舞い寒気が進む季節で水が旺じています。
金から水を見れば「金寒水冷」となり水が旺じて寒が増します。
亥月は壬水が旺じていますので庚金の気を洩らして寒となるだけです。
必ず丙火(太陽)の照暖を求めます。
- 財星と官星の用法
身強であれば丁火(正官)の鍛錬(たんれん)と、丙火(偏官)の照暖(しょうだん)があって寒気を除かなければなりません。
庚金の性質は剛金ですから丁火の鍛錬がなければ器をなすことができません。
冬は壬水(食神)が旺じて丁火は衰弱していますので、丁火を用いる場合は甲木(偏財)の扶けを必要とします。
- 官殺混雑
寒気が漸増(ぜんぞう)していますので、亥月生まれの庚金は丁火(正官)と調候である丙火(偏官)を並び見るをもって美しい命式となります。
「官殺混雑」でも良好とする例です。
また丁火を使う場合は、その燃料の甲木を離すことができません。
- 身弱の場合
また亥月生まれの庚金は金気を水に洩らして身弱となります。
従って、身弱の場合は大運に比肩、劫財、申、酉があるのを喜びとするのです。
これを「傷官が劫財の郷を喜びとする」と言います。
- 土を嫌う
金水は濁りのない「清」を以って喜びとしますので、天干に戊土の印星があれば水が濁り「濁壬」するので金水傷官は聡明であるも頑固となり喜びとはしません。
但し、水が多い場合は己土を以って混壬するは、亥の蔵干に有る甲木を扶けることになり、甲木は丙丁火を生じます。
庚金:子月生まれ
- 季節と調候
子月は冬将軍の到来で寒気が増して厳寒の季節ですから、先に丙火(太陽)の調候を必要とします。
- 金水傷官
庚金が癸水を見れば真の金水傷官となって頭脳の回転が早く聡明であるも、寒が増し金寒水冷となりますので先に丙火の照暖を求めます。
子月は丁火(正官)よりも先に丙火(偏官)を使うところが亥月とは異なるところです。
金水傷官は丙丁火を以って用神とし甲木(偏財)を補佐とします。
庚金の性質は剛金ですから丁火の鍛錬(たんれん)がなければ器をなすことができません。
丁火と甲木が共に透干して丙火が地支に有るは貴を得ることが出来ますが、丙火が無ければ僅かに衣食が足りるに過ぎません。
- 傷官見官
傷官が正官を見ることは本来からいえば大変嫌いますが、例外として冬月の金水傷官に於いては丙火の正官を見る事を喜びとします。金水傷官は命造が寒いので太陽の暖が必要です。
但し、天干に並び見るは(離れてあれば良い)災いがあります。
- 身弱の場合
子月生まれの庚金は金気を水に洩らして身弱となります。
印星の戊己土を以って生扶するは金水が濁ってその清さを失うので、土を用いないで、運程に比肩、劫財、申、酉が来れば身強となりますので喜びとするのです。
- 身強の場合
身強の場合は大運が「財星と官星」すなわち、木、火運がくれば発展する時期となります。
庚金:丑月生まれ
- 季節と調候
丑月は寒が入り真冬で厳寒の季節となっています。
丑月は土が旺ずると言えども、丑土は水を含んだ湿土で寒気のために霜柱が立っています。
故に丙火の太陽を主要とします。
- 官殺混雑
丑月生まれの庚金は厳寒の候でありますから丙火と丁火が混雑するのを忌みません。
即ち、正官と偏官が並び見る「官殺混雑」(かんさつこんざつ)をもって喜びとします。
丑月は庚金の墓に当たり通根はしますが、寒気の為に気勢は弱く身旺とは言いません。
丙火が有って命造を暖めさらに寒土を暖めれば土に生気がでて金を生じて身強になります。
身強の命で丁火(正官)を使う場合は、丁火の燃料となる甲木の扶けを得なければ貴を得ることに苦労があります。
丙火が有るも癸水が透干すれば丙火を損ずることになり衣食には不自由はしないが発展が鈍くなります。
- 富貴双全
三冬の庚金は全て丙丁甲を備えるを以って上格として論じます。従って丙丁火が透干して甲木が之に加わる命造を以って富貴双全といいます。
時
|
日
|
月
|
年
|
庚(比肩)
|
庚
|
壬(食神)
|
壬(食神)
|
辰
|
申
|
寅
|
子
|
−
|
冲
|
−
|
(木、水、土)
|
(金、水)
|
(木、火)
|
(水)
|
- 木:天干になし、 地支に2コ(1コ冲)
- 火:天干になし、 地支に1コ(冲)
- 土:天干になし、 地支に1コ
- 金:天干に庚、庚、地支に根が1コ(冲)
- 水:天干に壬、壬、 地支に根が3コ(1コ冲) =>最強
- 日主の庚に根が1コありますが、冲で根の作用はありません。
- 我が身の庚金を漏らす水気が最強です。
- 太陽の丙火がなく、我が身の金気は水に漏らし弱まります。
=> 「金寒水令」と言います。
- 従って、大運に火、土が巡ってきて、我が身を扶助する時が吉運となります。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
己(印綬)
|
庚
|
丁(正官)
|
己(印綬)
|
卯
|
戌
|
卯
|
卯
|
(木)
|
(金、火、土)
|
(木)
|
(木)
|
- 木:天干になし、 地支に3コ
- 火:天干に丁、 地支に根が1コ
- 土:天干に己、己、 地支に根が1コ
- 金:天干に庚、 地支に根が1コ
- 水:天干になし、 地支になし
- 日主の庚に根が1コありますが、卯月は金が絶ですので強くありません。
- 我が身の庚金を制する丁火がありますが、丁火の燃料となる甲木がありません。
もし、甲木があれば我が身の庚金で甲木を伐採し、丁火を引くので残念です。
=>財(甲)でもって官(丁)を生じる理想の形となります。
- 従って、我が身を強くする金運が大運に巡ってきた時が、吉運となります。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
丙(偏官)
|
庚
|
乙(正財)
|
壬(食神)
|
戌
|
戌
|
巳
|
寅
|
(金、火、土)
|
(金、火、土)
|
(火、金)
|
(木、火)
|
- 木:天干に乙、 地支に根が1コ
- 火:天干に丙、 地支に根が4コ =>最強
- 土:天干になし、 地支に2コ
- 金:天干に庚、 地支に根が3コ
- 水:天干に壬、 地支に根なし
- 日主の庚に根が3コあり身強です。
- しかし暑い夏月ですので水が欲しい季節です。
- 我が身の庚金を制する火の強さも最強ですので、やはり水が必要です。
- 年上の壬水は根がなく弱く、さらに時上の丙火を制するのに使われさらに弱くなります。
しかし、丙は根が4コあり、ほとんど壬水の制は効果がありません。
- 従って、大運に金、水が巡ってきて、乾燥した命式を潤す時が吉運となります。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
甲(偏財)
|
庚
|
丙(偏官)
|
壬(食神)
|
申
|
午
|
午
|
申
|
(金、水)
|
(火)
|
(火)
|
(金、水)
|
- 木:天干に甲、 地支に根なし
- 火:天干に丙、 地支に根が2コ + 月令 で最強
- 土:天干になし、 地支に根がなし
- 金:天干に庚、 地支に根が2コ
- 水:天干に壬、 地支に根が2コ
- 日主の庚に根が2コあり身強です。
- しかし、我が身の庚金を制する火が最強です。
- 従って強い火を制する水が、この命式の喜神となります。
- 従って、大運に金、水が巡ってきて、命式に潤いを与える時が吉運となります。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
丁(正官)
|
庚
|
丁(正官)
|
丙(偏官)
|
亥
|
申
|
未
|
辰
|
(水、木)
|
(金、水)
|
(火、木、土)
|
(木、水、土)
|
- 木:天干になし、 地支に3コ
- 火:天干に丁、丁、丙、 地支に根が1コ =>最強
- 土:天干になし、 地支に2コ
- 金:天干に庚、 地支に根が1コ
- 水:天干になし、 地支に3コ
- 日主の庚に根が1コあります。
- しかし、我が身の庚金を制する火が最強です。
甲木で火を引く必要はありません。
- 従って弱まる我が身の庚金を扶助する、土、金がこの命式の喜神となります。
- 従って、大運に土、金が巡ってきて、我が身を扶助する時が吉運となります。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
丁(正官)
|
庚
|
乙(正財)
|
乙(正財)
|
亥
|
午
|
酉
|
巳
|
(水、木)
|
(火)
|
(金)
|
(火、金)
|
- 木:天干に乙、乙 地支に根が1コ
- 火:天干に丁、 地支に根が2コ
- 土:天干になし、 地支になし
- 金:天干に庚、 地支に根が2コ
- 水:天干になし、 地支に1コ
- 日主の庚に根が2コあり、身強です。
- しかし、我が身の庚金を制する火と、我が身の庚金を漏らす木が同じ位強い。
- つまり、身強で、財と官も強く、大変良い命式ということになります。
- 原書には、本命は中国の要職にある とあります。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
丙(偏官)
|
庚
|
辛(敗財)
|
壬(食神)
|
子
|
辰
|
亥
|
辰
|
(水)
|
(木、水、土)
|
(水、木)
|
(木、水、土)
|
- 木:天干になし、 地支に3コ
- 火:天干に丙、 地支に根がなし
- 土:天干になし、 地支に2コ
- 金:天干に庚、辛 地支に根がなし
- 水:天干に壬、 地支に根が4コ =>最強
- 日主の庚に根がなく、身弱です。
- しかし、我が身の庚金を漏らす壬水が最強です。
庚金から壬水を見れば、食神ですが、これだけ強いと傷官の作用になります。
- つまり、「金水傷官」 となって必ず聡明です。
- この場合、命式に暖かい太陽の丙火が欲しいのですが、時上に丙火があります。
- 本命は女性で、美しく、夫は栄え、子供は貴であった、と原書にはあります。
- つまり、「金水傷官」は女性の場合は美人で聡明な方が多い。
- また、時柱は子孫を意味しますが、時上に本命が一番欲する丙火がありますので子孫が栄えたのでしょう。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
癸(傷官)
|
庚
|
庚(比肩)
|
辛(劫財)
|
未
|
辰
|
子
|
亥
|
(火、木、土)
|
(木、水、土)
|
(水)
|
(水、木)
|
- 木:天干になし、 地支に3コ
- 火:天干になし、 地支に1コ
- 土:天干になし、 地支に2コ
- 金:天干に庚、庚、辛 地支に根がなし
- 水:天干に癸、 地支に根が3コ => 最強
- 日主の庚に根がありません。 扶助する土も弱く、身弱です。
- しかし、我が身の庚金を漏らす水が最強です。
つまり 「金水傷官」 の命式です。
- 従って、冷え冷えした命式を暖める、火と我が身を生じる土が、大運に巡ってきた時が吉運となります。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
甲(偏財)
|
庚
|
丁(偏官)
|
己(印綬)
|
申
|
子
|
丑
|
巳
|
(金、水)
|
(水)
|
(水、金、土)
|
(火、金)
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- 木:天干に甲、 地支になし
- 火:天干に丁、 地支に根が1コ
- 土:天干に己、 地支に根が1コ
- 金:天干に庚、 地支に根が3コ =>最強
- 水:天干になし、 地支に根が3コ
- 日主の庚に根が3コあり、身強です。
- 従って、旺じた我が身の庚金を制する必要があります。
- 時上の甲木を庚金で伐採し、月上の丁火を生じます。
- この丁火が旺じた我が身の庚金を制しますので、良い命式となります。