辛金:寅月生まれ
- 季節と調候
寅月はその蔵干の中に丙火がありますから、陽気が地上に出て寒気は徐々に和らいでいく季節です。
従って丙火の調候は必ずしも必要としませんが、丙火(太陽)があって寒気をさらに和らげるのを喜びます。
庚金を暖めるためには、丙丁火を必要としました。
しかし、辛金を暖めるためには土が暖まっていれば金は自然と暖まってくるのです。
- 休囚の時期
春の辛金は休囚の時で勢いがありませんから、己土で辛金を生助する必要があります。但し土が多くあれば埋金しますので嫌います。
辛金が身強となれば壬水の流れ水で洗って輝かせないと辛金の効用を顕すことができません。
故に寅月の辛金は己土と壬水の用神を離して論ずるは不可であります。
- 己土と壬水
辛金は輝いていることが性情の基本です。
寅月に生まれた辛金は、己土(偏印)と壬水(傷官)が必ず必要であり、甲木(正財)の透干を嫌います。
即ち、寅月に於いては木気が盛んな時で辛金は衰弱していますので、己土の印星を用いて生扶し、身が旺じたら壬水の流れ水で洗って輝かせます甲木は印星の己土を剋しさらに壬水の用神の気を洩らすからです。
甲木が旺じて己土を制していれば庚金で以って甲木を伐採して制すれば命式はバランスが良くなり発展できるようになります。
- 辛金の性情
庚金と辛金の性質は全く異なります。庚金は強く荒々しい頑金であり、辛金は柔弱で軽くて清い金銀珠玉と見ます。
故に辛金は火を嫌い壬水の淘洗(とうせん)を欲します。
- 我が身が強い場合
金気が旺じた場合、庚金は丁火でもって剋するのを良好としましたが、辛金はその秀気を壬水に洩らすのを良好とします。
辛金は財官を用神とするよりも傷官の方が上格となります。
丁火を用いる場合もありますが上格とはなりません。
己土と庚金があって身強で壬水が無い場合は、甲丙の財官を用いるのでありますが変局であるため聡明にしか過ぎません。
辛金:卯月生まれ
- 季節と調候
卯月は春の陽気が満ちて蝶は活動し草木は青葉を出して暖かくなってくる季節ですので辛金は壬水を何よりも必要とします。
- 印星と比劫の生扶
辛金は輝いていることが性情の基本です。
辛金が卯月に生れるは休囚の時で気勢が弱いので、土を薄く見るのは良いが多く見れば埋金(土に埋もれる)しますから嫌います。
辛金の性情を考えれば、安易に土を使うことはできません。
故に運程に於いて比劫と申、酉に通根して旺ずるを喜びとします。
- 戊己土を忌む
辛金は流れ水で洗って輝かせるを上格としますので、土が多くて用神の水を剋し水を濁らせますから戊己土を最も嫌います。
土が多ければ甲木を以って土を疏土(そど=耕す、制する、抑える)します。即ち土の病があれば甲木の薬を用いるのです。
- 壬水と甲木
身強の辛金は壬水と甲木が天干に両透するを以って最上の命とします。
壬水は辛金を輝かせ甲木は病の土を制します。
- 金水傷官
辛金がたとえ身強であっても、辛金は柔弱の金でありますから丁火(偏官)
で制剋すれば溶ける可能性があるので火を多く見るのを嫌います。
故に辛金が旺じているならば、その秀気を壬水に流し金水傷官とします。
金水傷官は聡明ではありますが、傷官は凶星ですので必ず甲乙木の財星へと流し傷官生財とします。
身弱の辛金が水を多く見るは洩気太過となり、屁理屈は言いますが事に当たり何も出来ない人です。
この場合は運程に於いて庚金か戊土の生扶を求めます。
辛金:辰月生まれ
- 季節と調候
辰月は春の晩春で雨が多く田畑は潤い月令に戊土が旺じます。
辛金は湿土の相生を得て気勢は弱くはありません。
只、戊土が旺ずる季節ですので天干に土が透干するのを嫌います。
- 淘洗(とうせん)する
辛金は壬水の流れ水で洗って輝かせるを上格とします。
辰月は戊土が旺じますので辛金は土に埋まる可能性がありますから必ず甲木の疏土(そど=耕す、制する、抑える)を欠かしては不能となります。
従って壬水と甲木を以って配合すれば富貴は自然と得られます。
命中に壬水が透干して甲木を蔵するは衣食は十分ですあり、甲木が透干して壬水を蔵するは富貴が得れるが、壬甲が共に無い命は平常の人です。
- 戊己土を忌む
辛金は輝いていることが性情の基本です。
辛金は流れ水で洗って輝かせるを上格としますので、土が多くて用神の水を剋し水を濁らせますから戊己土を最も嫌います。
土が多ければ甲木を以って土を疏土(そど=耕す、制する、抑える)します。即ち土の病があれば甲木の薬を用いるのです。
但し庚金を見れば甲木が傷められその用を失います。
- 比劫を用いる
通常は土があれば我が身の辛金を相生して旺じさせますので良好だと論じますが、辛金の性情は輝きに有るので、別の法として我が身を強くするためには運程に於いて、比劫、申、酉に通根して旺じた我が身の気を水に洩らすことです。
辛金:巳月生まれ
- 季節と調候
巳月は草木が繁り丙火が旺じ汗ばむ季節で、辛金は火炎により衰弱しています。何よりも壬水の調候が欲しい時です。
巳月は月令の蔵干には戊土がありますが、暑い夏ですので土が乾燥し、火炎土燥となって辛金を生じることはできません。
- 用神(喜神)は壬水にある
命中に壬水があれば火炎を解き乾燥した土を湿らせ、辛金を生じることが出来るようになります。
また土が旺じていれば甲木をもって土を制剋することが必要になります。
甲木を用いる場合でも水がなければ焚木(ふんぼく)となってその役割を失います。
癸水が透干して壬水を蔵する命造は、壬水よりもその力量が減じます。
壬癸水が無く火の透干を見れば、柔弱の辛金は溶ける象となり働けど働けど苦労が多く発展が出来ません。
地支が火局して壬水の制が無ければ、土の印星を取用して火気を洩らしますので辛金は溶けなくて済みます。
但し、燥土では金を生じる事はできません。
- 比劫を用いる
巳月の辛金は旺火によつて既に衰弱しています。
地支に酉、丑をみて金局するか同気の申、酉、比劫を又は湿土を見れば身強となりその秀気を壬水の流して輝かせます。
壬水が透干し甲木があって戊土を制するならば発展が可能です。
辛金:午月生まれ
- 季節と調候
午月は一年中で昼が一番長く、丁火の火炎が旺じて辛金は柔弱の極地となっています。
必ず印星の湿土(辰、丑)と、壬水を併用するこであります。
一番良いのは申に通根する事です、申の蔵干には壬水があります。
水が欲しければ「申」を使えと言います。
- 官星を嫌う
辛金はよほどの身強でない限りは丁火を用いることは有りません。
午月は丁火(偏官)が旺ずる季節で、辛金は丁火に逢うと溶けてしまう憂いがあります。
午の蔵干には己土がありますが乾燥して金を生ずる事は出来ません。
故に壬水で以って火炎を解き己土を滋潤し湿土とします。
- 比劫を用いる
巳月の辛金は旺火によつて既に衰弱しています。
地支に酉、丑をみて金局するか同気の申、酉、比劫を又は湿土を見れば身強となりその秀気を壬水の流して輝かせます。
壬水が透干し甲木があって戊土を制するならば発展が可能です。
- 戊癸干合
壬水が無く癸水と戊土が共に透干すれば、水滴が燥土に逢う象となって土は潤沢を得る事が出来ません。
辛金:未月生まれ
- 季節と調候
辛金が未月に生れるは蓮の花が咲き残暑が厳しい季節で、月令に己土が旺じているも燥土であるため生金せず、ただ金の光を妨げるだけです。
故に甲木で重厚な土を疏土することです。ただ夏の甲木は弱いので必ず壬水で補佐することです。
- 壬水の用法
先に壬水を用いて湿土として庚金を補佐として日元を強くします。故に壬水と庚金が透干するは発展が出来ます。
壬水を用いる場合は戊土の透干を嫌います、若し戊土があれば甲木の救神が必要です。
甲木を用いる場合は水が必要で庚金を嫌います。
夏月は先に水が無いと、戊己土も甲木も庚金も使えません、水が無い人は偏枯の命となり富貴を得ることが難しくなります。
辛金:申月生まれ
- 季節
申月生れの辛金は初秋に当たり、月令に庚金が有って旺ずるも、帝旺で有って帝旺では無いのであります。
申の蔵干に壬水があり洩気するからです。
即ち月劫格となるも、壬水が透干しているならば金水傷官となります。
- 壬水が用神
申月は壬水の長生の地であるため、辛金は自然と金気の秀気を洩気する事になります。
庚金の申月生れは丁火の制剋を喜びとし壬癸水の洩気は次格としてますが、辛金は洩気の水を以って喜びとし丁火の剋は喜びとしないのであります。
従って壬水で洗って輝かせることができれば、「金水傷官」となって、秀才の命となります。
- 戊土は病
申月に生れて戊土があって甲木の無い命造は、病があって薬が無い造りとなります。
戊土が透干すると壬水を使いたくても、戊土が壬水を抑えてしまううので困ります。
辛金は申に通根して強いので戊土の印星は不要であります。従って甲木を以って救神とします、
斯学にあつては傷官を以って聡明としますので、甲木が有って戊土を制するは傷官を損傷しないために衣食には不自由が無い命となります
命中に水が太過するは洩気太過となり身が細るために、この場合のみ戊土を用います。
辛金:酉月生まれ
- 季節
酉月は秋の夜長を虫が鳴きとおす季節で、月令は建禄となり旺の極となります。
従って専ら壬水の淘洗(とうせん)を用います。若し壬水が無く丁火が透干するは丁火を以って旺金を制する、即ち変局であります。
旺神は制するか洩するかでありますが、辛金は洩気するを最上の喜びとします。
- 戊己土は忌む
辛金が旺ずる季節でありますので、戊己土の印星で以って生扶するは、やたらと埋金するので大いに忌むのです。従って甲木の制土を必要とします。しかし戊土が無ければ甲木は必要としません。
- 金水傷官
身強の辛金は壬水で洗って輝かせると「金水傷官」となって、秀才の命となります。
命中に一点の壬水があり甲木の財を多く見れば、壬水の気を盗むことになり用神の壬水は無力となります。この様な命は奸詐の人となります。
- 傷官生財格
月令に建禄を得て我が身が強く、壬水(傷官)があって、さらに甲木(正財)があれば、「傷官生財格」となって大変に清純な命式となります。
すなわち、一芸をもって秀で財を成す人となります。
身強の造りが財星を以って用神とする場合は、必ず食傷を通関神として転生すれば金木の相戦を免れます。
- 無頼の徒
辛金が旺じている命式で、壬水がなく辛金の気を水へ洩らすこともできず、また丁火の剋もない人は、我が身が旺じて依り所が無く無頼の徒となります。
辛金:戌月生まれ
- 季節
戌月は秋が深まり冬を身近に感じる季節で、月令戌の蔵干に辛金があり金の余気がまだ盛んな時期であると同時に、正気に戊土が旺じる季節でもあります。
また蔵干に戊と共に丁も蔵していますので土が乾燥する恐れがあります。
従って壬水を用い土を湿らす必要があります。
- 最上の格
辛金は輝いていることが性情の基本です。
辛金の戌月に在っては先に壬水を用いて、後に甲木を取用いたします。
壬甲が天干に透干する命造を以って最上の格といたします。
辛金は流れ水で洗って輝かせるを上格としますので、土が多くて用神の水を剋し水を濁らせますから戊己土を最も嫌います。
- 土が旺じる場合
戌月は土が旺じていますので辛金が土に埋まってその清く美しい光を失ってしまう恐れがあります、従って甲木の制土を必要とするのです。
土が地支に有るだけでは埋金はしないも、天干にあれば埋金します。
壬水と戊土が透干して甲木を地支に蔵する命は、戊土が壬水を傷めるも、地支にある甲木では天干の戊土を制する事が出来ません、命造は病が有って薬の無い命となりますから平常の人とみます。
命中に土が多く甲木があるも壬水の無い命は常人となります。即ち甲木を用いるのは埋金の憂いを去るためで、甲木が有っても壬水が無ければ発展が鈍くなります。
- 傷官生財格
我が身が強く、壬水(傷官)と甲木(正財)が天干にあって地支に通根しておれば、「傷官生財格」となって大変に清純で発展の命式となります。
即ち、一芸を以って秀で財を成す人となります。
辛金:亥月生まれ
- 季節と調候
亥月は寒気が漸増(ぜんぞう)して各地では雪が降り始める気候ですから寒気を除くためにも丙火(太陽)の調候を必要とします。
丙火があると水が暖まり金も暖まります。
- 金白水清
辛金は清く美しく柔らかい金ですから、壬水で洗い輝かせることを最も喜びとします。
辛金の亥月生れは丙火(正官)を以って貴とし、壬水(傷官)を以って富とします。
命式において、壬水と丙火が天干にあるのを「金白水清」と言って発展する造りです。但し壬と丙が並び見ずに離れてあることです。
また水が旺じすぎると金が沈むことになりますから、この場合は必ず戊土をもって水を制する必要があります。
- 壬水と丙火
命中に丙火が透干して壬水を蔵する命は小貴を得ることが出来ます。
壬水が透干して丙火を蔵する命は富みはあるも貴は少ない。
壬水と丙火を共に蔵する命は聡明といえども発展は出来ません。
戊土が多く有って壬水が弱い命は必ず運程に於いて水地に入って壬水が旺ずることにより名声を成すことが出来ます。
辛金:子月生まれ
- 季節と調候
子月は夜が最も長く寒気が肌を刺す季節で月令が癸水となります。
寒い冬の雨露は雪と氷になりますので、柔弱な辛金の生気は萎縮して活動が出来ません。
寒気を除くために調候である丙火でもって暖をとり、壬水で辛金を洗うことを必要とするのです。
従って辛金の子月生まれは、命中において丙火(正官)と壬水(傷官)が天干にあるのを喜びとするのです。但し壬と丙が並び見ずに離れてあることです。
- 戊土と癸水
命中において壬丙が天干に透干するは必ず貴を得ることが出来ますが、戊土と癸水を見ないことです。
即ち、戊土を見れば壬水は辛金を洗う能力が発揮出来ず、癸水を見れば丙火(太陽)がその照暖(しょうだん)の能力を発揮出来ません。
辛金:丑月生まれ
- 季節と調候
丑月は厳冬で寒さが一番厳しい季節ですので、丙火の調候を以って一番の喜びとします。
次に壬水で辛金を洗うことを喜びとします。丙火が無ければ寒土を解凍する事ができません。
また壬水が無ければ辛金を淘洗(とうせん)する事が出来ません。
- 丙火と壬水
丙と壬が透干する命造は金馬玉堂の客と言って名利が双全であります。
丙、壬のどちらかが透干して一方が地支にある場合は、発展を見る事ができます。
丙火が有っても壬水が無い命は富は有っても貴は仮のものであります。
壬水が有っても丙火が無い命造は貧賎の人として見ます。
- 辛金の性情
庚金と辛金の性質は全く異なります。庚金は強く荒々しい頑金であり、辛金は柔弱で軽くて清い金銀珠玉と見ます。
- 大河の水で洗う
辛金全体に言えることでありますが、辛金は流れる水で洗ってその輝きを増すことになります。
従って、壬水と出会うと貴を取るという内容になります。
- 水の太過
命中に壬水、癸水が多く有って病となる場合に限り、戊己土で以ってその水を制する薬として使うことができます。
そして丙丁火があれば衣食が足りる命として見ます。
時
|
日
|
月
|
年
|
−
|
辛
|
甲(正財)
|
癸(食神)
|
−
|
酉
|
寅
|
亥
|
−
|
(金)
|
(木、火)
|
(水、木)
|
- 木:天干に甲、 地支に根が2コ =>最強
- 火:天干になし、 地支に1コ
- 土:天干になし、 地支になし
- 金:天干に辛、 地支に根が1コ
- 水:天干に癸、 地支に根が1コ
- 日主の辛に根が1コあります。
- 我が身の辛の金気が年上の水気に流れ、さらに月上の木気に流れます。
- 木気が最強ですので、財が旺じる命式です。
- すなわち、弱まる我が身を扶助する土、金が大運に巡ってきた時、吉運となります。
- 原書には、己―酉 運に入り商売が発展したとあります。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
甲(正財)
|
辛
|
己(偏印)
|
乙(偏財)
|
午
|
酉
|
卯
|
卯
|
(火)
|
(金)
|
(木)
|
(木)
|
- 木:天干に甲、乙 地支に根が2コ =>最強
- 火:天干になし、 地支に1コ
- 土:天干に己、 地支になし
- 金:天干に辛、 地支に根が1コ
- 水:天干になし、 地支になし
- 日主の辛に根が1コあります。
- 木気が最強ですので、財が旺じる命式です。
- 辛金は水に出会ってはじめて、我が身を美しく輝かせることができるのですが、水がありません。
- 従って、我が身を強くする、金と水が、この命式の喜神となります。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
壬(傷官)
|
辛
|
甲(正財)
|
丙(正官)
|
辰
|
亥
|
午
|
子
|
(木、水、土)
|
(水、木)
|
(火)
|
(水)
|
- 木:天干に甲、 地支に根が2コ
- 火:天干に丙、 地支に根が1コ
- 土:天干になし、 地支に1コ
- 金:天干に辛、 地支に根がなし
- 水:天干に壬、 地支に根が3コ => 最強
- 日主の辛に根がありません。 我が身の辛金を扶助する土もありません。
=>我が身は強くありません。
- 水が最強ですので、我が身の辛金は洗われて清く光ります。
- さらに水が月上の木を生じ、木が年上の丙火を生じます。
- この命式はこのように中和を得た命式です。
- しかし、夏月でも辛金は水を多く見ると「金寒水冷」になりますので暖かい火がもっと欲しいところです。
- 従って、この命式の喜神は火と土になります。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
癸(食神)
|
辛
|
壬(傷官)
|
甲(正財)
|
巳
|
卯
|
申
|
午
|
(火、金)
|
(木)
|
(金、水)
|
(木)
|
- 木:天干に甲、 地支に根が2コ
- 火:天干になし、 地支に1コ
- 土:天干になし、 地支になし
- 金:天干に辛、 地支に根が2コ =>最強
- 水:天干に癸、壬、 地支に根が1コ
- 日主の辛に根が2コあり、身強です。
- 水も時上と月上にあり、「金水傷官」となります。
- 命式に火がなく、寒々とした命式ですので、火が欲しい命です。
- 従って大運に火が巡ってきた時が、吉運となります。
- 火は我が身の金から見れば、官星です。官星と傷官が命式の天干に並んであるとせっかくの官星も傷つけられます。
この命式は火が欲しい命式ですが、命中に火を求めてはいけません。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
丙(正官)
|
辛
|
己(偏印)
|
丁(偏官)
|
申
|
酉
|
酉
|
酉
|
(金、水)
|
(金)
|
(金)
|
(金)
|
- 木:天干になし、 地支になし
- 火:天干に丙、丁 地支に根がなし
- 土:天干に己、 地支になし
- 金:天干に辛、 地支に根が4コ => 最強
- 水:天干になし、 地支に1コ
- 日主の辛に根が4コあり、身強です。
- 我が身を制する火は根がなく弱く、我が身は強いままです。
- 偏官と正官が2つ天干に並んであると、「官殺混雑」といって良くありません。
- しかし、この場合は、時上と年上に離れてありますので、問題ありません。
- 旺じ過ぎる我が身の金を制する火が、この命式の喜神となります。
- 原書には、この命、丙―午、丁―未 運に入って発展したとあります。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
壬(傷官)
|
辛
|
戊(印綬)
|
丙(正官)
|
辰
|
未
|
戌
|
戌
|
(木、水、土)
|
(火、木、土)
|
(金、火、土)
|
(金、火、土)
|
- 木:天干になし、 地支に2コ
- 火:天干に丙、 地支に根が3コ
- 土:天干に戊、 地支に根が4コ =>最強
- 金:天干に辛、 地支に根が2コ
- 水:天干に壬、 地支に根が1コ
- 日主の辛に根が2コあり、身強です。
- しかし、土が最強ですので、我が身の軽く清い辛が土に埋もれる可能性があります。
これを「埋金」といいます。
- 従って、旺じ過ぎる土を制する木が、この命式の喜神となります。
- 原書には、この命、癸―卯、甲―辰 の運に入り発展したとあります。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
己(偏印)
|
辛
|
己(偏印)
|
辛(比肩)
|
亥
|
巳
|
亥
|
巳
|
(水、木)
|
(火、金)
|
(水、木)
|
(火、金)
|
- 木:天干になし、 地支に2コ
- 火:天干になし、 地支に2コ
- 土:天干に己、己 地支になし
- 金:天干に辛、辛 地支に根が2コ
- 水:天干になし、 地支に2コ
- 日主の辛に根が2コあり、身強です。
- さらに、己があるので、我が身辛金を扶助し、ますます我が身は強くなります。
- 従って、我が身を制する、火がこの命式の喜神となります。
- 原書には、本命、大運に火が巡ってきた時、大臣になったとあります。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
己(偏印)
|
辛
|
丁(偏官)
|
甲(正財)
|
亥
|
卯
|
丑
|
申
|
(水、木)
|
(木)
|
(水、金、土)
|
(金、水)
|
- 木:天干に甲、 地支に根が2コ
- 火:天干に丁、 地支に根がなし
- 土:天干に己、 地支に根が1コ
- 金:天干に辛、 地支に根が2コ
- 水:天干になし、 地支に3コ
- 日主の辛に根が2コあります。
- さらに己土がありますので、身強です。
- 従って旺じる我が身を制する火が欲しい命式です。
火は寒い丑月ですので調候も兼ねます。
- すなわち、命式の年上の甲木が月上の丁火を生じ、これを喜びとします。
=>財が旺じて殺を生ずる と言います。