壬水:寅月生まれ
- 季節と調候
壬水とは流れている大河の水を言います。
寅月の壬水は木気が盛んな季節で水−木と洩気して身弱となります。
故に水は気勢が弱いので氾濫の憂いが無いのです。
春の壬水は洩気して身弱なので、印星の庚金を水源として求めます。
金があると源が絶る事がないので源遠流長(げんえんりゅちょう)と言います。即ち水源があって水は遠くまで流れる勢いがあると言うことです。
次に初春はまだ寒さが残存するので丙火(太陽)の照暖(しょうだん)を以って寒気を除くことであります。
財、印の用法
壬水が丙火を見れば太陽の光を映します。
初春の寅月は蔵干に甲木、丙火、戊土、を暗蔵しています、どれを取っても壬水を扶けるものは無く、壬水は剋洩を受けて身弱となります。
故に庚金の水源を求め、寒気が残存するので丙火の調候も必要とします。
身強の命で庚金と丙火と戊土の三者が等しく透干するならば功名を得ることが出来ます。
戊土の用法
春の壬水は身弱ですから本来は戊土を必要としません。
壬水は比劫ならびに陽刃(ようじん)の亥子を見なければ氾濫の憂いが無いので戊土は必要とはしません。
壬水が旺じておれば戊土を以って水の氾濫を防ぐために用いるのです。
戊土があれば壬水が勢いがあるとも言えども氾濫することが無く正軌に水は流れます。
壬水の寅月生れは身弱なので戊土(偏官)を多く見れば、剋されて流れが停滞しますので戊土の太過を嫌います
即ち、偏官(七殺)太旺の命となり我が身は衰弱します。
しかし我が身も強く偏官(七殺)も強ければ食神で以って偏官を制する事です。
即ち「食神制殺」を作のは富貴の命となり度胸があります。
- 水の太過
壬水が多くある場合は水が奔流となり氾濫する恐れがありますので、この場合は戊土(偏官)で堤防を作る必要があります。
壬水:卯月生まれ
- 季節
卯月は陽気が進み冬眠していた動物や虫が穴から出て来る季節となり冷たい大河の水も温まります。
春の卯月は草木が繁茂する季節で、月令の木気が旺じて壬水は木へ洩気して弱っています。
我が身の壬水は木気(傷官)にそのエネルギーを洩らしますので、身強になるには庚、辛金(印星)の発水源を必要とします。
即ち印綬の辛金を用いて我が身を扶けつつ、傷官を抑える傷官佩印の造りを喜びとします。
- 官印相生
卯月の壬水は命中に戊土と辛金が透干すれば発展が出来ます。辛金は壬水の母(水源)であり、戊土は堤防となって官印相生の象となり良い造りとなります。
戊土と辛金が無く庚金が透干して乙木と干合しなければ用を成すことができます。即ち壬水に水源がある事になるので、月令の傷官を用いて富を得る事が出来ます。
- 甲木と丁火
戊土と辛金を共に地支に暗蔵する命で甲木と丁火が無い場合は秀な人であります。
即ち卯月の壬水は戊土と辛金を以って正軌としますので、甲木が戊土を傷めるのを嫌い、丁火が辛金を傷めるのを最もきらいます。
- 水の太過
壬水が多くある場合は水が氾濫する恐れがありますので、この場合は戊土で堤防を作る必要があります。
- 水源がない場合
庚、辛金の発水源がない命式は、比肩が無い限り身弱の命となり、愚かな輩となりやすい。
- 金寒水冷
庚、辛金が多すぎる場合は金は沈み水は寒冷となります、これを「金寒水冷」と言います。女性の場合は子供ができにくくなります。
この場合は、調候の丙火でもって庚金を制しさらに戊土で旺じ過ぎる水を制する必要があります。
壬水:辰月生まれ
- 季節
辰月は穀雨節でもあり雨が多く田畑は潤い、正気の戊土が旺じる季節であります。
壬水は流れて美としますので、戊土が旺じれば壬水は流れず滞っています。
命中に於いて土の官星が多くあると水の流れを阻害しますので貴命とはなりません。
従ってまず甲木で戊土を疏土(そど=耕す、制す、抑える)して、水の流れを助けて良くし、次に水源の庚金を用います。
壬水から辰を見れば蔵干に癸水があって多少は通根しますが本体は強い土ですから我が身は剋させて身弱となります。
庚金の無い人は壬水に水源が無く、その上に洩気が過ぎると身弱の命となり頼りない人物となります。
- 偏印(倒食)
庚金(偏印)と甲木(食神)が隣あわせで並ぶことは良くありません。
なぜならば壬から庚を見ると食神であり、壬から甲を見ると偏印(倒食)となり偏印は福の神の食神を倒してしまうからです。
年柱と時柱というように離れていれば問題はありません。
また天干と地支(蔵干)に別れていれば地支の作用は弱くなりますので問題はありません。
甲木と庚金が傷めずに相済して用をなすは科甲(かこう)の功名を得れる人として看ます。
- 水の太過
壬水が多くある場合は水が氾濫する恐れがありますので、この場合は戊土で堤防を作る必要があります。
即ち我が身が旺ずれば人の意見に耳を貸さず、自分の意見を無理にでも押し通すことになりますので戊土の官星で抑える事が必要となります。
- 水源がない場合
身弱で庚、辛金の水源がなく剋洩が太過すれば身弱の命となり、愚かな輩となりやすい。
- 金寒水冷(きんかんすいれい)
水が旺じて庚、辛金が多すぎる場合は身が旺じ過ぎて無用の人とみます。また、金は沈み水は寒冷となり、これを「金寒水冷」と言います。
この場合は、調候の丙火でもって庚金を制しさらに戊土で旺じ過ぎる水を制する必要があります。
辰月は木の余気がありますので丁火が透干して日干の壬水と有情すれば木気が旺じます。但し土の旺ずる季節ですから真の干合にはなりません。
壬水:巳月生まれ
- 季節と調候
夏月は火炎が旺じて水の十二運は絶地の季節となりますので、壬水は休囚し生気は微力となります。
壬水を生ずる処の庚辛金(印星)も巳月に於いては衰弱して気勢が弱いので(金水+比劫)の扶けを求めるのが良いのです。
夏月は壬水に水源が無ければ枯渇しますので水源として「金」の印星が必要となります。
夏月は庚辛金も火炎が旺ずるため金も溶けてしまう季節ですので、壬水、癸水を先に必要とします。
即ち、夏の壬水は印星と比劫(敗)を両用するのです。
- 水源
巳月の場合は丙火(太陽)が旺じる季節ですから、辛金と暗に干合させて丙火の暑さを防ぐこともできます。
つまり辛金は水源にもなり、丙火の暑さも合して取り除かれるので大変都合が良いのです。
- 食傷太過
命中に木気が多くある場合は、洩気が太過となり壬水は衰弱しますので、庚金が透干して木を制して日干を生扶れば貴を得る事が出来ます。
但し、比劫の助けも必要です。
- 丁火と戊土
命中に丁火を見れば壬水と干合(有情)して、木気が旺じ木は火を扶けます。また戊土を見れば癸水に干合して火勢が旺じて壬水を傷める事になりますので丁火と戊土を嫌います。
- 上格
すなわち巳月の壬水は、壬水と辛金の2つが天干に有るのを以って上格として看ます。
辛金と癸水を用いる場合は甲木の透干を必要とします。
壬水:午月生まれ
- 季節と調候
午月は丁火の火炎が旺じる季節で、夏の壬水は絶地に臨み渇水の憂いがありその生気は衰弱しています。
故に癸水を調候とし庚金(印星)の相生を求めます。
午月は壬水よりも癸水を用います。
なぜならば壬水は丁火と暗に合して木化する恐れがあるからです。
辛金は丁火を見れば溶ける象となりますので庚金を用います。
夏月は壬水に水源が無ければ枯渇しますので水源として「金」の印星が必要となります。水源があれば「源遠流長」となり水に勢いがあります。
- 水源と調候
午月生れの壬水は、火炎が旺じいてますので庚辛金の生扶と、更に壬癸水の調候が無いと発展が出来ません。
故に夏の壬水は金(印星)と水の比劫(敗)を両用するのです。
庚辛金があつても壬癸水が無い命造は常人であります。何故ならば夏の金は火炎に逢って気勢か弱いのです。
辛金は陰柔の金ですので丁火によって剋される恐れがありますので、水源には辛金よりも剛金である庚金を用います。
火炎が旺ずる季節ですから金気だけでは金が溶解してしまう恐れがあります。従って必ず先に水気を以って火炎を解く必要があります。
- 上格
すなわち午月の壬水は、「癸、庚」の2つが天干にあるのをもって上格として看ます。
- 合
庚金、辛金と壬水、癸水を併用する場合は、命造に不要な干支が干合、支合しないことが原則です。
壬水:未月生まれ
- 季節と調候
未月は夏の土用となりますが、日中はまだ猛暑なのでスタミナを付けるためにうなぎを食べる風習ある季節です。
大暑前迄は(7/23)、午月と同じ論理です、大暑後は未の正気である己土が旺じてきます。
未月の壬水は身弱でありますから水源の辛金(印綬)と甲木(食神)が透干して癸水が之を扶けるは富貴を求める事ができます。
- 壬水は己土で濁る
壬水は清き流れを以って美格とします。
未月は己土(正官)が月令に在って壬水に濁りを与えますので、甲木を以って己土を制する必要があります。但し己土が透干していなければ必ずしも必要とはしません。
未月は月令に己土が旺じていますので、己土が透干すれば日干の壬水を混濁しますので判断に誤りが出たり、考え方に濁りがあります。
土が透干して甲木を救いとする場合は、夏季ですから癸水が無ければ甲木は枯れるために其の役割を失ってしまいます。
地支に火土が在って金水が無ければ、ただ真面目で折り目正しいが他人に頼る清貧の人となります。
- 用神は金、水
夏月の壬水は「金、水」が用神となりますので、之を傷める戊土や丙丁火があれば人柄は良くても生活に困る命となります。
壬水:申月生まれ
- 季節と調候
申月は暑は残るも暦の上では初秋となり、月令「申」の蔵干には庚金と壬水が平行して旺じる季節です。
壬水は庚金の相生を得て気勢が満ちています。
- 身強の壬水
壬水が旺ずれば奔流となり氾濫の憂いがありますので、戊土で以って堤防を築きます、ただ申月は戊土が病地となって弱い候ですので、火を以って土を扶助しなければなりません。
従って、申月の壬水は戊土と丁火が天干にあって配合が良ければ必ず発展する命です。
身強であるも戊土の偏官(殺)が強い場合は、甲木の食神で制殺するは「食神制殺」となり人は優れ発展が出来ます。
偏官に制化が無ければ「殺」といいます。
甲木が地支に多く在って透干するは、用神(喜神)の戊土(偏官)を制しすぎますので発展が不可となります。
月令に庚金の偏印が旺じていますので、戊土(偏官)の気が金に流れてしまいますので、丁火(正財)で弱い戊土を扶け強い庚金を制する事です。
- 癸水を忌む
壬水の申月は癸水を嫌います。、癸水は丁火を損傷しますし、癸水が天干にあると戊土と干合して堤防としての作用を失いますから癸が天干にあるのを嫌います。
壬水:酉月生まれ
- 季節と調候
酉月は黄昏の候で壬水は沐浴となりその気勢は強くも無ければ弱くも無い、ただ月令に辛金が有って壬水を相生しますので「金白水清」となります。
酉月は壬水の「清澄」を取るのであります。
- 官星と食神
酉月は辛金の相生が有りますのでやや身強です、壬水が強ければ制するか洩するかとなりますが、戊己土で制すれば水の流れが滞り、さらに水が濁ってしますので土気での濁壬(だくじん)を嫌います。
故に土気を制するよりも甲木(食神)へ洩気するを専ら喜びとします。
酉月の壬水は甲木(食神)を専用するのが正法とします。
即ち、土−金−水−木と気が流れるは壬水が清いので喜びとするのです。
土が有って甲木(食神)を以って用神(喜神)とする場合は、天干に庚金の偏印が透干するを嫌います。
- 水の太過
比劫を並び見て地支に申や亥を見れば水が奔流となるので、甲木は浮木となり水を納める事が出来ません。この場合は戊土を以って用神と致します。
- 偏官
申月に於いては、壬水が旺じて氾濫する季節なので戊土の偏官を必要としましたが、酉月はただ壬水の清く澄んでいることを喜びとするのです。
壬水:戌月生まれ
- 季節と調候
戌月は秋が深まり壬水の水気が旺に向かう季節であるが同時に、水気を制する戊土も旺ずる季節でもあります。
壬水の戌月は命造にもよりますが、若し身強で壬水が旺に向かうは、必ず甲木(食神)と丁火(正財)を以って用神とします。
- 食神生財
身強で丁火の財星が透干して甲木の食神を見る場合は、丁火を以って用神とします。即ち「食神生財格」として素晴らしい格となります。
- 食神制殺
壬水が旺じて甲、丙、戊が並び透干するは、戊土の偏官を以って用神と致します。月令を用神として用いる事が出来る命は上格であります。
但し、戊土の官星が先で甲木が後にあるを条件とします。
我が身の壬水が健全で強ければ、月令の戊土を用い、また戊土があまり暴れないように甲木で抑えてやる「食神制殺」が中和を得る道です。
身強で丙火及び戊土を見なければ専ら甲木の食神を以って用とします。之が通常の格局であります。
- 身弱の命
身弱で印星を以って戊土の殺(官星)を化するは良好とは言えません。
庚金の倒食を見れば丁火で以って必ず制する事です、丁火の無い命造は発展が久しくありません。
- 庚金と己土
壬水の戌月で身強の命は甲木が用神でありますから、之を傷つける庚金と之に合する己土を最も嫌います。
壬水:亥月生まれ
- 季節と調候
亥月は雲は低く天地に寒気が漂う季節で、壬水は十二運が建禄に臨んで旺の極にいたります。
壬水は大河の流れる水で、亥月に於いてはその気勢はもっとも強くなり冲奔(ちゅうほん)の性質が有りますので、必ず戊土(官星)で以って水が氾濫しないように堤防を成す必要があります。
冬の戊土は「火土同根」で火に準ずるために十二運が絶となり気勢が弱いので、丙火の偏財を以って寒気を除く調候の役割と弱殺の戊土を扶ける事であります。
火土同根とは...火と土は根が同じです。
丙火があれば戊土も生じることができ補佐として重要です。
- 甲木(食神)
従って用神で有る戊土(偏官)を剋す甲木(食神)があってはいけません。
もし甲木があれば庚金で甲木を伐採する必要があります。
吉星の食神も命造によっては不要な場合もあります。
- 財、官
亥月の壬水は専ら丙火(偏財)と戊土(偏官)を専用し、丁火と己土は用いる事が無いのです。
即ち、己土の正官は制水できず反って壬水を濁らす事になり、丁火は壬水に干合して土を生ずる事が出来ないのです。
命式に丙火(財星)と戊土(官星)が天干にあれば、富貴と栄華を得ることができます。
丙火の財が有って戊土の官星が無い場合は、貴は得れないも衣食は得られます。
戊土の官星が有って丙火の財が無ければ、壬水は正軌に流れるも名利共に不足を生じます。
壬水:子月生まれ
- 季節と調候
冬の子月は厳寒の候で、壬水は月令が帝王になり亥月よりもさらに我が身の壬水が旺じる季節となります。
壬水は大河の流れる水で冲奔(ちゅうほん)の性質があり、子月に於いてはその勢いはもっとも旺じて強くなります。
寒気が厳しいので丙火(太陽)の調候も必要となります。
- 戊土と丙火
壬水である大河の水が氾濫しますので戊土で堤防を作る必要があります。
己土は湿田の土ですので、氾濫する水を制する事が出来ずただ濁らすだけです。
また寒気も厳しくなってくる季節ですので、調候として太陽の丙火も必要です、丙火があれば戊土も生じることができ補佐として重要です。
命式に丙火(財星)と戊土(官星)が天干にあれば、用神が揃うので富貴と栄華を得ることができます。
- 丙がない場合
丙火(太陽)が天干になく戊土だけがある命式は、寒冷の厳しい時であるがために戊土のみでは用を成すことができません。故に平常の命として論じます。
逆に丙火が天干にあって、戊土が地支にある命式は大運が戊土に入れば発展を見ることができます。
- 通関法
地支が火局を成す場合は、陽刃格(帝旺)が財星を見ますので、必ず甲木の食神を必要とします。
即ち、水火相戦となるために木の食神を以って通関神とし、水−木−火と周流させる事であります。
壬水:丑月生まれ
- 季節と調候
丑月は寒凍湿田の季節で、上半期の壬水は子月と同様に我が身の壬水が旺じていますので戊土と丙火を用とし、下半期は己土が旺じて気勢が衰えますので丙火(印星)を以って用となし甲木を補佐とします。
丙火が有れば解凍の喜びが有り、甲木を用いて土を制し火を生ずれば富貴が双全となります。
- 戊土の堤防
命中において壬水が天干にあって強ければ水勢が冲奔するために、必ず戊土の偏官で堤防を成すことを必要とします。この場合は甲木の制土を見れば命造の病となります。
- 調候
丑月は厳寒の季節であるから丙丁火を見なければ取用すべきものが無いのであります。
辛金が透干して丙火と干合するは、丙火はその働きを失うことになります。
辛金が透干している場合は丁火を代用します、ただ丁火は弱いので通根を要します。
- 運程
壬癸水が冬季に生れるは我が身が建旺となり丙戊を用いて、運行が南方に向かうを必要とし貴が得れるとします。
故に水木傷官は財官を見るのを喜びとします。
時
|
日
|
月
|
年
|
癸(敗財)
|
壬
|
丙(偏財)
|
甲(食神)
|
卯
|
子
|
寅
|
寅
|
(木)
|
(水)
|
(木、火)
|
(木、火)
|
- 木:天干に甲、 地支に根が3コ =>最強
- 火:天干に丙、 地支に根が2コ
- 土:天干になし、 地支になし
- 金:天干になし、 地支になし
- 水:天干に壬、癸、 地支に根が1コ
- 日主の壬に根が1コあります。
- しかし、我が身を漏らす、食神と偏財が強いので、我が身は強くありません。
- 食神が最強ですが、食神―>生財へと気は流れていきます。
- これを、「食神生財格」といい、何か一芸をもって財をなす命となります。
- 原書には、本命はかなりの発展をみたとあります。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
乙(傷官)
|
壬
|
乙(傷官)
|
癸(劫財)
|
巳
|
戌
|
卯
|
酉
|
(火、金)
|
(金、火、土)
|
(木)
|
(金)
|
- 木:天干に乙、乙、 地支に根が1コ =>最強
- 火:天干になし、 地支に2コ
- 土:天干になし、 地支になし
- 金:天干になし、 地支に3コ
- 水:天干に壬、癸、地支になし
- 日主の壬水に根がありません。
- さらに我が身の気を漏らす傷官があるので、我が身は弱まります。
- また、弱まる我が身を扶助するため、大運が逆行して、水―>金と流れることを喜びます。
- 原書には、本命は文学を職業とし、発展したとあります。
- 我が身が弱い(身弱)命式ですが、大運が我が身を強くする方向に回ってきますので発展したのでしょう。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
己(正官)
|
壬
|
庚(印綬)
|
庚(印綬)
|
酉
|
申
|
辰
|
午
|
(金)
|
(金、水)
|
(木、水、土)
|
(火)
|
- 木:天干になし、 地支に1コ
- 火:天干になし、 地支に1コ
- 土:天干に己、 地支に根が1コ
- 金:天干に庚、庚、 地支に根が2コ
- 水:天干に壬、 地支に根が2コ
- 日主の壬水に根が2コあります。
- 辰月は土が旺じる季節ですので、その土気を庚金が制します。
- また、庚金が水を生じますので我が身は強くなります。
- 原書には、「本命は年運が戊―寅に暗殺された」 とあります。
- 申―酉の冲の年ですので、要注意の年だったことが分かります。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
庚(偏印)
|
壬
|
癸(劫財)
|
辛(印綬)
|
子
|
子
|
巳
|
丑
|
(水)
|
(水)
|
(火、金)
|
(水、金、土)
|
- 木:天干になし、 地支になし
- 火:天干になし、 地支に1コ
- 土:天干になし、 地支に1コ
- 金:天干に庚、辛、 地支に根が2コ
- 水:天干に壬、癸、 地支に根が3コ =>最強
- 日主の壬水に根が3コあります。
- 巳月は火が旺じる季節ですが、金、水が強く我が身の壬水は最強です。
- この強すぎる我が身の壬水を制する、戊土がこの命式の喜星となります。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
庚(偏印)
|
壬
|
戊(偏官)
|
戊(偏官)
|
子
|
寅
|
午
|
戌
|
(水)
|
(木、火)
|
(火)
|
(金、火、土)
|
- 木:天干になし、 地支に1コ
- 火:天干になし、 地支に3コ
- 土:天干に戊、戊、地支に1コ ->最強
- 金:天干に庚、 地支に根が1コ
- 水:天干に壬、 地支に根が1コ
- 日主の壬水に根が1コあります。
- 午月は火が旺じる季節ですから、強く我が身の壬水は気が漏れます。
- さらに、戊土が最強ですので、我が身の壬水を制します。
- 従って、我が身を強くする金、水がこの命式の喜神となります。
- 原書には、「本命は武道において発展した」とありますが、偏官が2つある人は名を残しますが、人格的には狂暴性があるようです。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
戊(偏官)
|
壬
|
辛(印綬)
|
甲(食神)
|
申
|
戌
|
未
|
申
|
(金、水)
|
(金、火、土)
|
(火、木、土)
|
(金、水)
|
- 木:天干に甲、 地支に1コ
- 火:天干になし、 地支に2コ
- 土:天干に戊、 地支に2コ +月令 ->最強
- 金:天干に辛、 地支に根が3コ ->強
- 水:天干に壬、 地支に根が2コ
- 日主の壬水に根が2コあります。
- 未月は土が旺じる季節ですから、時上の戊は強く我が身を剋しています。
- 従って、年上の甲木が時上の戊土を剋すことを喜びます。
- 原書には、「大運が酉の時、年運が壬―子の時、本命は発展した」とあります。
- つまり、我が身を強くする金、水がこの命式の喜神ということです。
例題
時
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日
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月
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年
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壬(比肩)
|
壬
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庚(偏印)
|
戊(偏官)
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寅
|
辰
|
申
|
寅
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(木、火)
|
(木、水、土)
|
(金、水)
|
(木、火)
|
- 木:天干になし、 地支に3コ
- 火:天干になし、 地支に2コ
- 土:天干に戊、 地支に1コ
- 金:天干に庚、 地支に根が1コ
- 水:天干に壬、壬、地支に根が2コ =>最強
- 日主の壬水に根が2コあります。
- 申月は金が旺じる季節ですので、我が身の壬水は扶助されて最強です。
- この強すぎる我が身の壬水を制する、戊土と、壬水の気を漏らす火がこの命式の喜星となります。
例題
時
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日
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月
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年
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庚(偏印)
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壬
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己(正官)
|
壬(比肩)
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戌
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子
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酉
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子
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(金、火、土)
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(水)
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(金)
|
(水)
|
- 木:天干になし、 地支になし
- 火:天干になし、 地支に1コ
- 土:天干に己、 地支に根が1コ
- 金:天干に庚、 地支に根が2コ
- 水:天干に壬、壬、地支に根が2コ =>最強
- 日主の壬水に根が2コあります。
- 酉月は金が旺じる季節ですので、我が身の壬水は最強です。
- この強すぎる我が身の壬水を制する、には月上の己土では不十分です。
- 己土が水で濁流になってしまい、壬水の流れるような聡明さが失われる可能性があります。
- よって正官があると言っても、貴を得ることはできません。
例題
時
|
日
|
月
|
年
|
庚(偏印)
|
壬
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戊(偏官)
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丙(偏財)
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子
|
子
|
戌
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子
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(水)
|
(水)
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(金、火、土)
|
(水)
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- 木:天干になし、 地支になし
- 火:天干に丙、 地支に根が1コ
- 土:天干に戊、 地支に根が1コ
- 金:天干に庚、 地支に根が1コ
- 水:天干に壬、 地支に根が3コ =>最強
- 日主の壬水に根が3コあります。
- 戌月は土が旺じる季節です。
- 我が身の壬水は最強ですので、戊土で制する必要があります。
- この強すぎる我が身の壬水を漏らすには、年上の丙火は弱すぎます。
- 原書には、「本命は甲運に入り死亡したとあります」。
- すなわち、強すぎる我が身の壬水を制していた月上の戊土が甲木によって破られた結果、さらに壬が強くなりすぎて、災いになったということです。
例題
時
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日
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月
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年
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辛(印綬)
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壬
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辛(印綬)
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壬(比肩)
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亥
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子
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亥
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申
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(水、木)
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(水)
|
(水、木)
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(金、水)
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- 木:天干になし、 地支になし
- 火:天干になし、 地支になし
- 土:天干になし、 地支になし
- 金:天干に辛、辛 地支に根が1コ
- 水:天干に壬、壬 地支に根が4コ =>最強
- 日主の壬水に根が4コあり、水を扶助する金がありますので水が最強です。
- さらに亥月は水が旺じる季節です。
- 我が身の壬水を制するものがありませんので、潤下格になります。
- すなわち片寄った五行の水を片寄ったまま鑑定します。
- 従って大運が、火、土の運に入れば水気を漏らし、剋しますので破格し災難となります。
例題
時
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日
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月
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年
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辛(印綬)
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壬
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壬(比肩)
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壬(比肩)
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亥
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子
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子
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寅
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(水、木)
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(水)
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(水)
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(木、火)
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- 木:天干になし、 地支に1コ
- 火:天干になし、 地支に1コ
- 土:天干になし、 地支になし
- 金:天干に辛、 地支になし
- 水:天干に壬、壬、壬、地支に根が3コ =>最強
- 日主の壬水に根が3コあり、天干にも壬水が3コあり最強です。
- さらに子月は水が旺じる季節です。
- 我が身の壬水を制するものがありませんので、潤下格になります。
- すなわち片寄った五行の水を片寄ったまま鑑定します。
- 従って大運が、火、土の運に入れば水気を漏らし、剋しますので破格し災難となります。
- 五行の強さからだけ判断すれば、上記のようになりますが、しかし実には「本命は、大運が火、土の地に入って富む」とあります。
- すなわち、 潤下格という外格ではなく、内格と判断しなければなりません。
- 内格であれば、片寄った五行を何とかバランス良くしようとする方向で鑑定をすすめなければなりません。
- つまり、旺じすぎる水を漏らしたり、剋する、火、と土の運が本命にとって喜神となるわけです。