乗馬とは 「馬をつくる作業」 のことです。
自分は技術がないから、そんなつもりで乗れない?
いいえ乗った以上、馬にライダーは影響を与えてしまっているのです。
だから、調教してしまっているのです。
1鞍乗ったら、馬が昨日よりも今日のほうが良くなっているでしょうか?
早足がうまくできない?
駆け足がうまくできない?
それはライダーの責任ではありませんよ。
障害飛越でオリンピックに参加したことのある広田氏を育成した
ある乗馬クラブのベテランスタッフから言われたことがあります。
本気で乗馬やりたいの? だったら、ヨーロッパに行って、買ってきてあげようか?
元競走馬のサラブレッドじゃ・・・えっ どういうこと? 思わず身を乗り出して聞きました。
無知な私は、海外では先祖代々乗用馬のために生産されている血統や品種がいることを
始めてこのとき知ったのです。
乗用馬をつくる調教師(トレーナー)という職業が欧米では存在することも初めて知ったのです。
それで、自分のための、自分だけの、乗馬施設を作ってやろうと決断し、
四国から北海道に移住して7年が経過。
●いい馬
良質の血統書つきの クォーターホース。(欧米で乗用馬といったら クオーターホースのこと)
世界で一番頭数が多いのがクォーターホースです。
●技術の向上
いい馬に乗って レイニング競技をやるということ。
●レイニング
馬術の女王アンキーや マドンナ や シューマッハといった
セレブ達もやっているアメリカン馬術
■元競走馬は使わない
日本の普通の乗馬クラブというのは競走馬を引退した
サラブレッドの乗り方の技術を教えるクラブです。
しかしです、乗る馬がきちんと調教できている乗用馬でないことが多い
現実があります。
会費と安くするために 競走馬を引退した馬を肉馬と同じ価格で仕入れ
てくるわけです。
欧米人から言わせるとクレイジーなんだそうです。
競走馬に乗るということは、プロの騎手である 武豊 でさえ数回の落馬と
骨折を経験している馬にあなたが乗るということです。
命かけて安い馬に乗りたい若くて健康で運動神経が武豊以上だという人は
それでもいいんでしょうが・・
私は、落馬して全治3ヶ月の怪我をしましたが、もうそんなのは嫌です。
いい馬を育成するという目的のある乗馬クラブは日本でも片手で数える
くらいしかないのが現実です。
■日本式乗馬クラブの運営
日本の乗馬クラブの頂点にはJRAつまり
競走馬の生産と販売と競馬をやっている
組織があります。目に見えない形ですが
実質的にそうなっています。
競馬で使えなくなった馬はどうなるか?
ほとんどが、肉です。肉になる前に、もし
かしたたら使えそうかなという馬は、乗馬
クラブに流れていきます。
だから乗馬クラブの仕入れはタダ同然。
軽業師みたいな人が乗っても落馬して
怪我する競走馬を、ちょこっと調教して
普通の人が乗れると思いますか?
馬の立場になって考えると
今までは、早く走れとムチうたれていた。
それがゆっくり後肢を中心に収縮させて
走れと指示される?
それも1日 数人乗っけてこずかれる。
たいへんなストレスを抱えると思いませんか?
乗馬クラブでも使えないとなった馬は
どこへ行くか?
フクシマの野間馬のお祭りに使用されます。
なぜか?
1回だけ走ってくれれば、あとは廃馬に
なってもいいから、なんでもいいんだそうです。
なんとなく、悲しくなる馬の生涯ですね。
■レイニングホースだけを使う理由
フォーチュン牧場のオーナーも50歳
近くになって本州のある大手乗馬ク
ラブに入会し乗馬を始めました。
落馬すること2年で50回、とうとう
腰椎骨折をしてしまいました。
高知競馬場を引退してまだ3週間
も経過していない馬に、あなたなら
乗れるから乗ってみたら!といい気
になった結果です。
そして全国の乗馬クラブを訪問し
出した結論は品質のいい馬に乗
らないと上手くならないし、事故も
発生しやすいということでした。
私が経験した事故は、腕をかまれる
、鞍つけをするとき嫌がる、ハミをうけ
つけない、暴走する、とまらない、
わざとライダーを振り落とす、という
ものです。
当牧場の言う、品質のいい馬とは
乗用馬として 先祖代々血統的に
人間に従順なクオータホースだけ
を生産しているAQHAの血統書つき
の馬ということです。
■乗馬が上手くなるコツ
いい馬 賢い馬に乗ることです。
大手乗馬クラブで2年間200鞍乗り
ましたが、競技会で通用するレベル
にはぜんぜんなりませんでした。
元競走馬のレンタルホースでは
毎日通ってもこれが限界でした。
次に、ウエスタ乗馬のレイニング競技
に出ることです。自分で自分の課題
を発見することができ、それを自分
で改善していくのが乗馬の練習に
なります。他力本願ではなく、自力
で試行錯誤やっていくので人生に
おけるさまざまな困難も自力で解
決できる能力が自然に習得できま
す。
■トレーナーとの協調作業で馬をつくる
最初はプロのトレーナーについて馬の
作り方をならうべきでしょう。当方も1年かけて
ならいました。注意すべきは、乗り方をならう
のではありません。馬の作り方をならうのです。
コツがつかめたら あとは自分で馬をつくって
いく作業を毎日 積み重ねるだけです。
迷ったら プロに相談する。
騎乗技術をならっても、競技会では勝てません。
馬を自分で作っていかないと信頼関係が
できないでしょ。
もっといえば、馬への理解ができていないのに
競技会で勝てるわけありませんね。
だから ただ上手に馬に乗れるだけの人は
競技会では勝てないのです。
馬の状態を 深く思考し、深く馬を理解するという
作業を積み重ねないと競技会では勝てません。
必要なのは 深く考える脳です。
■ビジョン
レイニングホースの生産をやっている牧場
は日本にはほとんどありません。その先駆け
をやろうとしています。
生産をスタートさせていますので、
数年後は、当牧場から競技に参加できる
レベルの馬がでてくることになります。
アメリカでは数千頭が毎年生産されると
いうのに日本はまだ乗馬の世界では後進
国です。
これじゃあ若い調教師は育ちません。
MADE IN FORTUNE RANCH の馬で全日本
選手権 を勝ちにいく。
十勝は、そのための環境が準備されている
と思います。